テメル大統領代行(民主運動党・PMDB)からの圧力で、レナン・カリェイロス上院議長(PMDB)が、上院でのジウマ大統領(労働者党・PT)の弾劾裁判のスケジュールを早める可能性が出てきたと。3日付伯字紙が報じている。
リカルド・レヴァンドウスキー最高裁長官は7月30日、上院での罷免審理(弾劾裁判)開始を今月の29日に設定し、9月2日に最終的な投票が終わるよう設定した。
だが、レナン議長は8月2日、審理開始が25日もしくは26日に早まるかもしれないとの見解を述べた。
レナン議長がこの見解を出した背景には、テメル大統領代行がその日程に難色を示したことがあるという。それは9月の4日、5日に中国でG20サミットが開催されるためだ。テメル氏は、世界の首脳たちが集まる重要な国際会議に正式な大統領として出席することを望んでおり、罷免がその日までに決まらなければ、「大統領代行」として参加するよりも、出席をキャンセルすることを考えている。
他方、上院では、5月に大統領罷免審議を進めるか否かを投票した際も、スケジュールが後ろにずれた経緯もある。
そのため、PMDBのエウニシオ・オリヴェイラ上院リーダーと、同党党首のロメロ・ジュカー上議が、テメル氏の意向を汲むべく、レナン議長を説得するための昼食会を行ったとの情報も入っている。
さらに、罷免特別委員会のライムンド・リラ委員長(PMDB)も既にレヴァンドウスキー長官と会合を行い、長官から予定を早めることで内諾をもらっているという。
このテメル大統領代行の圧力に関し、ジウマ大統領の弁護をつとめる、元法相のジョゼ・エドゥアルド・カルドーゾ氏(PT)は、「連邦政府の都合で日程が決められるとはばかげている」と不満を表明した。
上院での大統領罷免審議に関しては、2日の特別委員会で、報告官のアントニオ・アナスタジア上議(民主社会党・PSDB)がジウマ大統領の罷免を薦める報告を行った。3日の委員会では、これを受けた審議が行われ、今日4日は、この報告書を承認するか否かの投票が行われる。21人の委員の内過半数が賛成すれば、上院の本会議に回される。全体投票は9日の予定で、過半数の41人以上が賛成すれば、8月下旬から弾劾裁判がはじまることとなる。
3日付フォーリャ紙によると、現時点での弾劾裁判での投票予想は、44人の上議が罷免賛成、19人の上議が反対に投票する見込みだ。罷免成立にあと10人、阻止にはあと8人だが、PTとその同盟党の上議の票は既に数えられた状態だ。
タグ:PT PSDB PSD PMDB 写真ニュース ジウマ大統領 テメル大統領