パラー州タパジョース市のサンルイス水力発電所建設計画の環境許可が国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)により拒否された。
許可審議委員会を構成する委員7人は、国家総弁護庁(AGU)と国立インディオ保護財団(Funai)、Ibamaの三者が作成した意見書を基に、インディオの居住区を破壊する上、同院が指摘した環境上の問題に対する解決策が提示されていないとして、許可の授与を拒否した。
サンルイス発電所建設のための環境許可は2009年に申請されたが、この許可がなければ、発電所建設のための入札や資金集めもできない。
同発電所建設計画の責任者である電力会社エレトロブラスは環境許可を再申請できるが、Ibamaが許可を拒否した理由から見て、再申請しても環境許可取得は難しいと見られている。
環境許可授与を拒否する書類には、同院のスエリ・アラウジョ院長のサインが足りないが、同院長は全員一致で許可授与拒否を決めた審議会メンバーで、近日中にサインすると見られている。
エレトロブラスはタパジョース川に一連の発電所を建てる計画を持っており、連邦政府もサンルイス発電所建設のための入札を行うと何度もアナウンスしてきた。同発電所の建設費は180億レと予測されている。
同発電所の発電量は、国内最大規模のパラー州ベロ・モンテ発電所の約3分の2の8千メガワットと見込まれている。
同発電所の建設は、ムンドゥルクス族が住むインディオ居住区サウレ・ムイビーの水没を意味する。同族は発電所建設計画に当初から反対しており、近年は国際的な非政府機関(NGO)の支持も得ていた。
Funaiは今年初め既に、環境許可を与えることは憲法違反との意見書を出していた。Ibamaが返答する機会を与えたところ、エレトロブラスは、浸水地域は正式なインディオ居住区ではなく、退去は可能だと発表した。だが、この主張は拒否された。同計画に関する技術報告では、インディオ問題と共に、環境問題解決のための対策がまだ提示されていないことが指摘されている。
今回の決定にはベロ・モンテ水力発電所建設での環境許可授与に際して起きた問題が影響している。ベロ・モンテ発電所建設の際、Ibamaは計画始動前に数百の条件を満たすよう求めたが、同地域や市では同院が出した条件を満たす事は不可能とするエレトロブラスの主張を受け入れ、社会的な主要条件が満たされないのに、営業開始のための環境許可を出してしまったのだ。
タパジョース川での発電所建設への許可拒否に関する文書によると、環境許可拒否は、同地域では発電所の受け入れ条件が満たされていないことと、建設者には条件履行が義務づけられないことが理由だという。
「赤字を抱えた公共政策での環境許可問題への干渉回避には、当該地域の社会的装置が持つ慢性的な問題解決のための各行政府(国、州、市)による事前調整が欠かせない」とIbamaの広報官は伝えた。(3日付けフォーリャ紙)