今日5日、リオ五輪の開会式がリオ市のマラカナン・スタジアムで行われる。開会式では、ミシェル・テメル大統領代行に関して混乱が起きぬよう、警備が厳重に行われる模様だ。4日付伯字紙が報じている。
テロなどの心配も残されているリオ五輪の開会式であるが、警備側がもっとも恐れているのは、テメル大統領代行周辺で起きる事が予想される混乱だ。
まず気になるのは会場内での野次だ。大統領への野次は、2013年のコンフェデレーション杯や14年のサッカーW杯の時にジウマ大統領に飛んだものが記憶に新しいが、07年の汎米大会でも、当時高支持率だったルーラ大統領に対する野次が飛んだ。
今回は特に、テメル氏自らがマイクの前に立ち、「第31回近代オリンピックの開会を宣言します」と宣言することが決まっているだけになおさらだ。
開会宣言は、開催国の国家元首が行うことが多いが、必須ではない。そのため、ジウマ大統領の罷免問題を抱え、労働者党(PT)擁護派からの反感も強く、野次は避けられないと見られている中で、テメル氏自身がこの役を引き受けたがっていることが、周囲を驚かしている。
このため運営側は、10秒ほどのテメル氏の開会宣言の直後に、野次が聞こえるのを封じ込めるため、音楽を大音量で流すことで対処する予定だという。
開会式には、国内の州知事や、世界各国の首脳、潘基文国連事務総長などが参加する予定だ。運営側がもっとも危惧しているのは、赤道ギニアの独裁者テオドロ・オビアン氏の息子で同国副大統領のテオドロ・オビアン・マンゲ氏だという。同氏はブラジルで資金洗浄を行った疑いがあり、連邦検察庁が捜査中だ。
また、社会活動団体は既に、5日にテメル大統領代行に対し、複数の抗議デモを行うことを宣言している。
大統領代行に対する抗議デモは、午前9時がマラカナン・スタジアム周辺で、その2時間後の11時にはコパカバーナ海岸で行われる。また、午後2時にはマラカナンから2キロ離れたサエンス・ペーニャ広場で、開会式直前の午後4時30分にはマラカナンの入り口でも行われる予定だ。警備側は、これらのデモへの参加者は1万5千人程度と見ているが、3日夜の時点で関心を示した人の数は3万人との情報もある。
テロに関しては、テロ対策法により、ネット上の危険探知で既に14人が逮捕された上、1人が国外追放となっている。
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