北大河州では7月29日以降、33の市でバスや車、公共の建物などを狙った襲撃事件が多発しているが、これらの襲撃はリオの有名な犯罪組織とも関係がある同州の犯罪組織によるものだと4日付フォーリャ紙が報じている。
北大河州での襲撃事件は3日夜の時点で96件に及んでいるが、同紙の取材に応えたロビンソン・ファリア州知事(社会民主党・PSD)によると、これらの襲撃は、州内の刑務所の一つに携帯電話を通じなくさせる装置を設置したこと(他の刑務所にも続けて設置する)に対する犯罪集団の報復措置だという。
同知事によると、同州の犯罪集団「シンジカット」は、リオの犯罪集団「コマンド・ヴェルメーリョ(CV)」とつながりが深い。CVは、サンパウロ州で最も恐れられている犯罪集団「州都第一コマンド(PCC)」と敵対関係にある犯罪集団だ。ファリア知事によると、セアラー州など、北部諸州も襲撃に気をつけたほうが良いということだ。
現時点で逮捕されている襲撃犯は85人を超えており、指令を出していたと思われる人物3人も逮捕された。指示を出していたのは、刑務所内部にいた囚人だけでなく、外部の犯罪者も含むという。同集団は刑務所内外で作ったビデオをネット上で流して、州政府や知事を挑発していた。
同州の警備は、国が派遣した陸軍兵1千人と海軍兵200人によって強化された。州知事は、空港やバス道、観光地といった戦略地点に兵士たちを配備し、警察が情報収集に力を入れられるようにする意向だ。
北大河州は国内でも有数の観光地としても知られているが、同知事によると、襲撃後もホテルに空きが出るなどの事態は起きていないという。ただ、襲撃そのものはまだ続くことが十分考えられるため、同知事はリオでの五輪には行かず、州内の治安回復につとめると語っている。