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被爆体験の継承の重要性

 金曜日に行われたリオ五輪開会式は、日本時間6日午前8時15分(広島原爆投下)にあわせ、日本移民登場の演出をするという感動的な内容だった。
 またこの土日にはサンパウロ市内で原爆死没者追悼法要が行われた。なかでも日曜の長崎原爆死亡者追悼ミサでは被爆二世だけではなく、日系三世などの若者も見られた。
 体験者である被爆者協会会長は「平和が大事、戦争は絶対にダメ」と断言したが、被曝二世の参加者は「母が生きていた頃は毎年法要に参加していた。私は1947年生まれで、当時のことは余り知らない」と語調が弱くなっているのに気付いた。このままでは、この運動はどうなるのか。
 今年はオバマ米大統領の広島平和記念公園訪問があり、戦争記憶の継承が訴えられた。被爆者の多くは、我が子が放射能に関する社会的偏見の被害者にならないよう、子孫に体験を伝えてこなかった。孫も大きくなった今、もう語ってもいいのではないか。(雪)