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ジョコビッチは自国選手並の応援を受けて感激したが(Danilo Borges/ME/Brasil2016)
ジョコビッチは自国選手並の応援を受けて感激したが(Danilo Borges/ME/Brasil2016)

五輪応援団の野次に苦情=ネットの悪口に泣く選手も=熱狂や興奮以上に成熟必要

 リオ五輪開始5日目の9日、外国人選手や報道関係者がブラジルの応援団の野次や騒音に苦言を呈しているとアジェンシア・ブラジルが報じた。
 観客席が騒がし過ぎて苦情が出たのは水泳、卓球、バスケットなどだ。8日の女子バスケットブラジル対日本戦では、絶え間なく続くブラジル側応援団の野次に日本側応援団が苛立ちを覚えた。7日の卓球男子ウーゴ・カウデラノ(伯)対唐鵬(香港)戦でも、サービスのたびに野次を飛ばす観客に香港側の選手や監督が神経を尖らせていた。
 3日にベロ・オリゾンテ市で行われた女子サッカー戦では、米国のキーパーのホープ・ソロが餌食となった。彼女は来伯前、ジカ熱対策として大きな網を被り、防虫剤を持った写真をネットに掲載しており、ボールを蹴る度に「ジカ!」の叫び声が上がっていた。
 様々な種目の選手が観客からの野次や騒音に辟易している様子は国際オリンピック委員会(IOC)にも伝わり、報道陣がどんな対策をとるのかと詰問したともいう。
 対処を求められたリオ五輪委員会は、ブラジル応援団への説明と外国人選手や報道陣への説明を、マリオ・アンドラーダ報道担当理事に託した。
 同理事は、ブラジル人の応援は、相手チームやミスを野次るのが常道のサッカーと同じ方法で行われており、相手を攻撃する意図はなく、試合が終わればあとは引かないと説明。また、「試合中の野次は選手や種目への思い入れの強さ故で、熱のこもった応援は我々が望むところでもある。ブラジル人は沈黙が必要な種目もある事などを学ぶ必要があるが、どうあるべきかを知っていても、熱し易くて抑制が利かなくなる事が多い。今大会で応援マナーなどを学べば、真の意味で多種目国家になるだろう」と述べた。
 だが、野次や罵詈雑言に泣く選手は決して少なくない。アテネ大会では400米個人メドレーで5位入賞を果たした水泳女子のジョアンナ・マラニョンは9日、8日の200米バタフライで予選落ちした後、ネット上で「お前なんか犯されてしまえ」などという書き込みを受けた。眠れぬほどのショックを受けた彼女は、9日の400米と200米の個人メドレーでも予選落ちした。
 4年前のロンドン大会では、柔道女子のラファエラ・シウヴァへの人種差別的な書き込みが問題になったが、ジョアンナは9日、「ブラジルはまだ、男性至上主義や人種差別が根強い。ネットでの批判や罵詈雑言は卑劣だ」とした上、正式な捜査を要請する意向を示した。