リオ五輪競技場の軽食会社フード・チームに、サービスの悪さや雇用法違反の疑いで多くの苦情が寄せられている。2013年に創設された同社は、スポーツ競技場やイベント会場での軽食販売を請け負っているが、同社への評価は設立当時から低い。
バーラ・ダ・チジュッカ、デオドーロの五輪会場では、同社軽食店での商品や釣銭の不足、長い行列、カード用の支払い機の不具合など、種々の問題が起きている。同社に対する苦情があまりにも多いため、五輪組織委員会は、複数会場もフード・トラックを用意するなどして、代替策を提供する必要に迫られた。
同社は14年に開催されたワールドカップの際も、マラカナンやペルナンブッコ、フォンテ・ノーヴァ(バイア州)の各会場で軽食や飲み物を提供し、同様の問題を起こした。サッカーファンの間では有名な会社だ。
フード・チームは、五輪期間中に働く雇用者からも、過剰労働や食事を摂る時間、休憩時間の不足などの申し立てが相次ぎ、労働検察省(MPT)や労働雇用省(MTE)が釈明を求めている。
同社が軽食などを提供していた3会場はオデブレヒト社が設立し、同社の経営者の一人がオデブレヒト社創業者の孫のエミリオ・オデブレヒト・ペルチエル・デ・ケイロス氏であることも注目を呼んでいる。
ケイロス社長はカルロス・ヌズマン五輪組織委員会会長の妻、マルシア・ペルチエ氏の元夫の従兄弟でもある。リオ五輪では組織委員会の親族にあたる人、または会員と親しい人の雇用を禁止しているため、リオ五輪での同社起用が、親族関係者を優先した結果ではないかとの疑いも掛けられている。
一方、会場で販売されるペットボトル飲料について、外国人来場客の間で奇妙に思う人が続出している。
ペットボトルなど、蓋が付いたものは外して提供され、持ち込みも不可とされている。
蓋付き容器は競技中、選手へのブーイングの意味で投げられてしまう可能性があるため、会場では販売する際に、安全性や競技の進行を邪魔しないように考慮し、蓋を外して販売する。販売員は顧客に、蓋付きでは売れないことを断ってから売るよう注意されている。
新聞記者で「メンサジェイロ・シデラウ」というブログを執筆するサルヴァドール・ノゲイラ氏によると、蓋がないペットボトルを投げる場合は、自分自身に飲料がかからないよう、中身を飲みきるか、口を上に向けて投げなければならない。この場合は投げるための力も入らず、途中で中身がこぼれるため、地上に落ちる時の衝撃は小さい(空のペットボトルは6g程度)し、想定飛距離は15m位だ。
だが、中身が満タンの場合の重さは300gを超え、飛距離も20m位に伸びる。満タンの場合に人に当たった際の衝撃は空の場合の50倍で、非常に危険だ。
コカ・コーラ社はこの対策は国際五輪委員会からの要請であるとした。「ペットボトル投げの蓋付き部門と蓋なし部門っていう新しい五輪競技が出来るという噂がある」とノゲイラさんはおどけた。(11日付G1サイト、フォーリャ紙より)
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