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リオ五輪サッカー=東洋街から日本へ大声援=進退かけた第3戦で観戦会

先制点に熱狂する観衆。試合には勝利したが勝ち抜けに一歩届かなかった

先制点に熱狂する観衆。試合には勝利したが勝ち抜けに一歩届かなかった

 「ニッポン、ニッポン、ニッポン」との大声援が東洋街にこだました。日系5団体によるリオ五輪日本人訪問者サンパウロ支援委員会が10日夜、サッカー男子の第3戦(日本―スウェーデン)に合わせ、サンパウロ市文協の多目的ホールで観戦応援会を行なった。負けが許されない試合に日系・非日系、駐在員など約300人の観衆が集った。
 ブラジル日本商工会議所が呼びかけたため、普段のコロニア行事とは違って、仕事帰りの背広姿が目立つ珍しい応援風景に。村田俊典会頭自ら日本代表ユニホームに身を包み、特設大画面の最前線で大歓声を送った。
 B組の日本は初戦を落とし、次節のコロンビアに引き分けて最終第3戦へ。自力での勝ち抜けは消滅したが、他試合の結果次第では引き分け以上で決勝トーナメントに進出できる。対戦相手のスウェーデンは欧州王者。彼らも勝利が必須で序盤から均衡した展開に。互いの決定機を作りながら、前半は0―0で折り返した。
 親子で訪れたウエマ・スエコさん(59、二世)とキンジョウ・ミドリさん(24、三世)は、「これまでの試合は良くなかったけど、今日は良い出来。後半も楽しみ」と拍手を送った。
 同時に、同組のコロンビア対ナイジェリア戦で前者が先制点を入れたとの情報が入っていた。そのままの流れだと日本が勝ってもコロンビアの2位が確定、日本は敗退する。会場では日本応援と共に、ナイジェリアの奮起を期待する声が上がっていた。
 均衡が外れたのは後半20分。途中出場のMF矢島慎也が先制点をもぎ取った。その後も日本のペースで試合を進め、追加点は奪えなかったが今大会初勝利を飾った。とはいえ、コロンビアが2―0で勝利し、2位が確定。日本の予選敗退が決定した。
 祈るように画面を見つめていた新為千鶴(ちず)さん(69、二世)は「始めから終わりまで頑張って攻めていた。みんなの応援が届いたはず」と満足げ。「でも勝ちあがれなくて、それだけが残念」と肩を落とした。
 最前列に座り、手振りをまぜて熱心に声援を送った非日系ルイス・カルロス・ファグンデスさん(49)は、日の丸Tシャツに身を包み来場。「文協の前を偶然通り、観戦会のポスターを見た。みんなで応援しようと三世の彼女と一緒に来た。今日はとても良い試合だった」と敗退にも関わらず、爽やかな表情で会場を後にした。


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 文協で行なわれたサッカー男子の観戦会では途中、抽選会も行なわれた。景品には五輪マスコットが描かれたマグカップが用意され、当選者も笑顔。その内の一人には、なんと日本人芸術家の日比野克彦さんも。東京五輪の広報事業のために来伯していたからだ。なにげなくそんな有名人も訪れ、コロニアに混じって一緒に和気藹々と声援を送った。「ぜひまたやって」との声も。大成功の観戦会となったようだ。