15年第3四半期以来、3四半期赤字が続いていたペトロブラスの決算が、16年第2四半期は黒字に転じた。だが、その黒字額は、市場のアナリストが期待していた額を大きく割り込んだと12日付伯字紙が報じている。
16年第2四半期のペトロブラスの黒字額は3億7千万レアルとなった。これは、ドル安レアル高の恩恵を受けたことや、原油価格が回復してきたことで売り上げが後押しされた結果だ。
また、この為替上の恩恵で、ラヴァ・ジャット作戦の打撃で膨らんだ同公社の負債も15%減の3320億3900万レアルとなった。レアルに換算した場合の輸入額が減り、輸出額が増えるという効果もある。
ただ、市場関係者は、この第2四半期の黒字は20億レアル台に達すると見ていたため、この黒字額は市場の期待を大幅に下回ったことになる。
これに関し、同公社財務理事のイヴァン・モンテイロ氏は、「市場の観測と実際の数字に開きがあるのは、予期せぬことがあったからだ」とし、「向こう5カ年の事業計画が承認されるまでは、新たな業績低下が起こるか否かは予想しがたい」と説明した。
ペトロブラスの黒字額が予想を大きく下回った要因は三つある。ひとつは、同公社が社員に向けて呼びかけた自主退職促進プログラム(PIDV)によって生じた費用で、第2四半期は12億1千万レアルの支出増を生んだ。
このプログラムによる自主退職者は第2四半期だけで4千人に上った。今月はじめにはこの数が既に5千人に達しており、最終的な締切日とされている8月31日までには6千人になると見られている。
二つ目は、リオ州総合コンビナート(Comperj)の株価が大幅に下がり、11億2400万レアルの損失を被ったことだ。これに関し、石油精製・天然ガス部長のジョルジェ・セレスチノ氏は「同コンビナートには135億ドル分の金を費やした」と説明する一方で、新しい共同経営者(ソーシオ)がつけば状況は改善されると語っている。
三つ目は、石油や天然ガスの開発費に16億4千万レアルかかったことだ。原油価格が下がったために採算が取れなくなった開発中の油田を返却したことで、開発費は昨年同期より43%上昇したという。
その一方、ペトロブラスの石油や天然ガスの生産量が日産280万バレルと好調なことも業績回復に繋がった。これは、メンテナンスのために第1四半期は操業を停止していたプラットフォームが第2四半期になって動きはじめたことや、カンポス盆地のルーラ油田で岩塩層下の原油の採掘が本格化しはじめたことが原因だ。石油や天然ガスの生産量はブラジル内だけで8%増えている。
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