近年は、障がいがあっても一般校に通う生徒が増え、全教科で全員を同様に扱う必要が増した。これにより、体育の授業が、スポーツ科学より、運動能力の発達や人間の体そのものを知ることに重点を置く方向で変化してきている。15日付エスタード紙が報じた。
全国の学校での調査によると、15年は一般校に通う障がいを持つ生徒は75万人いた(05年は11万4千人)。この数字は今後も増えるはずで、身体能力の高い生徒に有利な体育の授業の内容の見直しが重要だ。
サンパウロ市南部アウト・ダ・ボア・ヴィスタのアングロ21(幼稚園~高校)教務担当のルイス・エンリケ・ヴァスキーニョ氏は、「体育はスポーツを教え、試合をするものという見方は誤ったものだ。人間の身体について教えるべきで、選手養成所ではない」と言う。
同校では、この目的を果たすため、筋力や脈拍数の変化などを理解するための遊びを交えた活動を取り入れた。「車椅子利用者や難聴者、知的障害者も、私達が教える理論を感じられるような活動を行える」という。
サンパウロ市東部の州立プロフェッソール・ジェラウド・モレイラ校体育教師のマリウダ・デ・リマ氏は、「効果的な活動をするには保護者との会話、各生徒の障がいや能力の限界への理解が必要だ」と言う。「生徒の状態を理解し、活動に参加させる方法を考える。障がいを持つ生徒が一緒に参加する事で、全員が、尊敬する事や協力する事、違いがある事を理解するようになる」と語った。