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PSDBのアエシオ党首(José Cruz/Agência Brasil)
PSDBのアエシオ党首(José Cruz/Agência Brasil)

PSDB=PMDBへの牽制はじめる=18年大統領選がその背景=メイレレス財相にも飛び火=市長選でもシャッパ少数

 民主社会党(PSDB)が、ミシェル・テメル大統領代行(民主運動党・PMDB)の暫定政権に関し、微妙な距離をとりつつある。その理由となっているのは、18年大統領選をめぐる動きにあると、16日付エスタード紙が報じている。

 PSDBは、労働者党(PT)との長きにわたる対立関係から2003年以降、野党の立場にあったが、5月12日にジウマ大統領の停職処分が決まり、PT政権が崩壊すると、ジウマ大統領の罷免で一枚岩になるために連立に加入。そこで、アレッシャンドレ・デ・モラエス法相、ジョゼ・セーラ外相、ブルーノ・アラウージョ都市相の3人が入閣した。
 PSDBが連立与党入りした背景には、「18年にはPSDBで独自候補を立てて大統領選に出馬すること」「同大統領選にテメル氏は出馬しないこと」という前提があった。テメル氏は現在も18年に出馬しないことを主張し続けている。
 だが、PSDBとは長年の同盟党である民主党(DEM)のロドリゴ・マイア下議が、7月の下院議長に当選後、「18年大統領選にテメル氏を」と主張し始めたことで、雲行きがあやしくなりはじめた。
 また、テメル暫定政権で財相をつとめるエンリケ・メイレレス氏が、社会民主党(PSD)から18年の大統領選に出馬するとの説も浮上して 来ている。
 そうした流れの中、暫定政権が、議会で審議を進めている財政調整法案に関し、態度を軟化させたことで、PSDBの不満が高まっている。それは、各州が抱える連邦政府に対する債務返還のための法案の中にあった、「2年間は州の職員の給与調整は行わない」という条項を暫定政権が外したことが原因だ。
 PSDBは、テメル政権は18年までは「人気のない政策を推し進めてでも経済回復を目指すもの」と考えていた。そこで、アエシオ・ネーヴェス党首らが反対の声をあげはじめた。
 それに対し、テメル政権で公私共同投資プログラム(PPI)の局長をつとめるモレイラ・フランコ氏が15日、「カルドーゾ氏やルーラ氏の政権は経済スタッフに恵まれていた。その経験ある人物を政治の犠牲にするのは許されない」と語った。メイレレス氏はルーラ政権で8年間、中銀総裁をつとめていた。
 PMDBとPSDBは、カルドーゾ政権の2002年以来となる連邦政府での連立政権を復活させている。だが、10月の全国市長選で両党がシャッパを組む州都はマナウス、フロリアノーポリス、テレジーナ、ヴィトーリアの4市のみで、サンパウロ市、リオ、ベロ・オリゾンテの三大都市ではぶつかり合う。