ワインを入れて焦がしたバターとレモン、パルメザンチーズを添えたビーツのサラダ、燻製肉をニョッキの煮込み、果物のコンポートとアイスクリーム。
名前だけ聞くとどこのレストランのメニューかと聞きたくなるのは、リオデジャネイロ市ラッパ地区に住む路上生活者のために、五輪会場で働くシェフ達が用意した料理の数々だ。
オリンピック公園内のビュッフェ「レフェトリオ・ガストロモチヴァ」で使うために用意したが、賞味期限が近かったり、使う機会がなかったりした食材を利用した料理は、イタリア人シェフのマシモ・ボツゥーラ氏提唱のプロジェクトだ。
「大きなイベントにはレガシーがつき物。私達は人々の生活を変えるような事をしたいんだ」と言うのは、このプロジェクトに賛同する非政府団体(NGO)「ガストロモチヴァ」のシェフ、ダヴィ・ヘルツ氏だ。
料理を担当するシェフは毎日変わる。15日のシェフはメキシコでレストラン2軒を経営するトマス・ベルムデス氏で、「レストランで食べる機会のない人達のために料理するなんて、考えた事もなかったけど、こういう体験は、彼らにとっても替えがえのないものになるだろう」と語った。
「レフェトリオ・ガストロモチヴァ」の収容人数は108人だが、今のところ、来客数は70人前後だという。このプロジェクトは五輪後も、昼食を食べに来る人達から代金をとる代わりに、夕食は無料で提供するという形で継続される予定だという。(15日付G1サイトより)