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眠られぬ夜はもうご免!

 「眠られぬ夜」という言葉に何を思うかは、皆違う。五輪新記録で優勝した棒高跳びのチアーゴは喜びで眠れなかっただろうが、17日未明の現金輸送会社襲撃事件で40分間銃声を聞いた人は恐怖で眠れなくなった▼結婚、遠足、優勝など、喜びや興奮で眠れない時はまだいい。だが、悲しみや恐怖で幾晩も眠れなかった人は「あんな悪夢は2度と見たくない」と思うだろう▼15日が終戦記念日だった事もあり、16日付弊紙7面にはブラジルの強制収容所の事や米国の収容所にいた女性の記事が掲載された。5面には戦争体験者が安倍内閣による憲法改正を懸念している事や、当時の事を話せなかったゼロ戦操縦体験者の「戦争反対」への思いが記されている▼インターネットでは、最近の日本では「戦争反対」を唱えにくい事や、15日も終戦について触れた番組が少なかった事を危惧する記事を見た。オバマ大統領が相手から攻撃される前に核兵器を使用しないという宣言を検討したが、安倍首相が反対したとも聞いた▼安倍氏は「現行憲法は占領時代に作られ、時代にそぐわない」と言うが、国立国会図書館の資料には、敗戦当時の日本は軍部による政治支配によって戦前の議会制度を修復させるだけでは「民主主義」を実現できない程傷ついており、連合国最高司令官の要請で憲法改正案を提出したがGHQがそれを拒否した事、その後、GHQ草案を基に日本案が再起草され、制定された事が書かれている。天皇、皇后両陛下が「平和憲法」と呼んでおられる現行憲法が、戦争で眠られぬ夜を過ごした人達には悪夢を繰り返さないための砦である事も心して議論するよう、改めて叫びたい。(み)