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東西南北

 つい、この間、開幕したばかりだと思っていたリオ五輪も、今日、明日を残すのみとなった。開幕前は「テロや大事故が発生して世界の恥とならないだろうか」「会場各地で不具合が起きないうだろうか」「ブラジル勢は惨敗しないだろうか」との不安も多かった今大会だが、蓋をあけてみれば、多少の問題はあっても、競技結果のインパクトを消すような大事件は起きておらず、開幕式の評判も良かった。ロクテの騒動も虚偽だと判明し、当初は「少ない」と批判されたブラジルのメダル獲得状況も、自己ベストで、獲得数もそれに近いものとなりそう。なんとかこのまま、無事に明日の閉会式を迎えたいものだ。
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 19日の3位決定戦に敗れたサッカーの女子代表。思えば、最初の2戦で女子が圧勝したのに、男子が2試合無得点で引き分けた際は徹底的に批判され、「今回は女性の大会」などと国民やマスコミがもてはやしたが、実際には、途中から調子を上げて決勝に進んだのは男子の方。皮肉にも、バレーやビーチバレーでも、女子が期待されつつ、男子が結果で上回った。性別には関係なく、慌てずにじっくり見守る必要があったのでは。
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 13年のサッカーのコンフェデ杯から16年のリオ五輪は、労働者党(PT)政権にとっては「ブラジルの繁栄の栄光」を表現する場となるはずだった。だが、コンフェデ直前と最中には大規模なマニフェスタソン、14年にはセレソンの屈辱的大敗、リオ五輪前には経済が大破綻し、PT政権も崩壊した。サッカー男子決勝と来週からの大統領弾劾裁判の結果で動乱は休まるか。