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サンパウロ市市長選=テレビ討論会がスタート=ハダジが厳しい洗礼浴びる=ルッソマノは攻撃受けず=エルンジーナは局に抗議も

 22日、バンデイランテス局で第1回目のサンパウロ市市長候補による公開討論会が行われ、5人の候補が集まった。この日は支持率1位のセウソ・ルッソマノ氏(ブラジル共和党・PRB)への質問は集まらず、現職のフェルナンド・ハダジ市長への厳しい質問が目立った。23日付伯字紙が報じている。

 この日参加したのは、ハダジ氏、ルッソマノ氏、マルタ・スプリシー氏(民主運動党・PMDB)、ジョアン・ドリア氏(民主社会党・PSDB)、マジョール・オリンピオ氏(連帯・SD)の5人だった。
 この夜、最も厳しく質問されたのはハダジ氏だった。まず、あがったのは、ジウマ大統領が10年の選挙で裏金を受け取っていたと報奨付供述で語ったジョアン・サンターナ氏が、12年の市長選挙の際、ハダジ氏の選挙参謀として参加していた件だった。これをドリア氏とオリンピオ氏に指摘された。
 ハダジ氏は、パウロ・マルフ元市長の時代(1993~96年)に行われた、アグアス・エスプライアーダス大通り(現ロベルト・マリーニョ大通り)建設の際横流しされた金を取り戻したと語り、サンパウロ市での構造的な汚職を根絶している最中だと強調した。さらに同氏は「PSDBやPMDBも長きにわたって不正を行い続けている」とやり返した。
 一方、現在、25%前後の支持率を集め、一番人気のルッソマノ氏は、この日は質問をほとんど受けなかった。同氏はハダジ氏に対し、都市不動産所有税(IPTU)をはじめとした増税や、主要大通りでのスピード制限を強めたことなどに関し、自身の批判的な見解を述べたのが主だった。
 また、ドリア氏はマルタ氏に対しても、PT時代のマルタ氏が市長時代(2001~04年)に行った増税政策を批判した。マルタ氏は増税政策は「私の過ちだった」と認めたが、「サンパウロ市はTVショーのようなたやすいものじゃない」と、番組司会者出身のドリア氏を皮肉った。
 また、マルタ氏は、自身が市長時代に進めていた統合教育センター(CEUs)やサンパウロ市財政プログラム(Confia)が現政権によって潰されたことに対する不満をもらした。
 一方、サンパウロ市西部モルンビにあるバンデイランテス局の外では、元サンパウロ市市長(1989~92年)で現在、支持率3位のルイーザ・エルンジーナ氏(社会主義自由党・PSOL)が、200人ほどの賛同者を集め、この討論会に出演できなかったことへの抗議活動を行った。市の法律では、討論会には「市会議員が9人いる党」の候補が参加できるが、エルンジーナ氏は「ルッソマノ氏は、私が出られないなら自分も出ないと言ったのに嘘をついた」と批判した。