米州機構(OAS)は22日、現在のベネズエラの社会情勢を「民主主義の終わり」と称し、ニコラス・マドゥーロ大統領の政治を危険視した。23日付伯字紙や各紙サイトが報じている。
OASのルイス・アルマグロ事務局長はツイッターで、2014年にマドゥーロ政権下で逮捕され、証拠が十分でないまま「騒乱罪」などで14年の実刑判決を受けた野党指導者レオポルド・ロペス氏の上告が12日に拒否された事に言及し、「ベネズエラの市民や政治家には自由も人権もない」とした上で、同氏への敬意を表した。
同じ22日、レオポルド氏夫人のリリアン・ティントーリ氏が、カラカス郊外の監獄でのレオポルド氏の日々の状況を説明し、現政権を激しく批難した。
それによると、レオポルド氏は監獄内でひどい扱いを受けており、精神的な拷問と共に、「殺すぞ」と脅されることも少なくないという。
一方、マドゥーロ大統領は23日、同国の公務員で野党側の要職者たちに対し、48時間以内に辞職するよう命じた。
ベネズエラは現在、南米共同市場(メルコスル)内でも、民主主義に関する条項を満たしていないとして、ブラジルのジョゼ・セーラ外相をはじめ、アルゼンチンやパラグアイの強い反対を受け、正式な議長国就任が果たせずにいる。22、23日の動向は、唯一ベネズエラを弁護していたウルグアイに対しても大きな圧力となりそうだ。
ベネズエラでは現在、マドゥーロ大統領罷免を求める動きが強まっている。ティビセイ・ルセーナ選挙委員長は、国民投票を求める署名を10月末に集めるというが、日程は未定だ。また、国民投票が来年に持ち越されれば、マドゥーロ氏の罷免が成立しても、副大統領が昇格するのみで終わってしまう。
同国は国民の8割が物資不足に悩み、インフレ率は180%を超える。
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