LJ=検察庁とメンデス判事が対立=ピニェイロの供述交渉打ち切り=トフォリ判事の言及問題で=請求を反対された腹いせ?
ラヴァ・ジャット作戦でのOAS社元社長、レオ・ピニェイロ被告の報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)を巡り、連邦検察庁と連邦最高裁のジウマール・メンデス判事の間で対立が起きた。同被告の供述にディアス・トフォリ最高裁判事に関するものが含まれており、それが漏れたためだ。24日付伯字紙が報じている。
ピニェイロ被告がトフォリ判事に関して語ったとされる内容は、20日発売のヴェージャ誌で報じられた。それによるとトフォリ判事が同被告に、ブラジリアの自宅で水漏れなどが起きて困っていると語ったところ、OASの担当者が同判事宅を訪ねて修理が必要な箇所などを調べて同被告に報告。それを受けて同被告が専門家を派遣して修理を行わせたが、その費用はトフォリ氏自身が負担したという。
検察庁のロドリゴ・ジャノー長官は22日、トフォリ判事に関する供述の内容が漏れたことを理由に、ピニェイロ被告を含むOAS関係者との報奨付供述に関する交渉をいったん差し止める命令を下した。
だが、最高裁のジウマール・メンデス判事はこの件での不満が収まらなかった。メンデス判事はトフォリ判事が選挙高等裁長官の際の副長官をつとめるなど、同判事と近い間柄にもある。
今回のヴェージャ誌の報道は、検察庁が提出した元連邦政府閣僚のパウロ・ベルナルド容疑者(労働者党・PT)の釈放に反対し、同容疑者の妻で元官房長官のグレイシ・ホフマン上議(PT)への捜査をベルナルド氏とは別個のものにするようにトフォリ判事が命じたことへの腹いせとして、検察庁の捜査官が情報を漏らしたことが原因ではないかと、メンデス判事は疑っている。
メンデス判事は検察庁の捜査官らに対し「謙遜という名のサンダルをはいてもらいたい」と厳しい口調で注文をつけた。
さらにメンデス判事は23日、検察庁が15年3月に提案し、ラヴァ・ジャットを管轄するパラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事が推奨している「汚職対策10カ条」に関する批判も行った。「あの中には〃違法の証拠でも、それが善意から出てきたものなら有効にすべき〃などというものがあったが、ばかげている」と批判した。
この批判後、ジャノー同長官は、ピニェイロ被告が報奨付供述として認めるよう求めている供述の中には、ヴェージャ誌の記事に該当するものは存在しないとして、報道そのものを否定した上、ラヴァ・ジャット作戦を妨げる動きがあるとも発言した。
もっとも、大半の最高裁判事は、トフォリ判事への言及に戸惑いを見せながらも、検察庁にはこれまで通りのやり方で捜査を続けて欲しいとの願いを持っている。
一方、下院では与党、野党共、ジャノー長官がピニェイロ被告らとの報奨付供述交渉を打ち切ったことに不満の意を表明している。