公的支出の予算の伸びにインフレ率以内という上限を設定する憲法補足法案(PEC)241/16号についての初回公聴会が24日に行われ、テメル暫定政権の経済班が財政危機解決のための財政調整案に関する説明を行うと共に、この法案を承認しなければ、ブラジルは国際的な債務不履行国になる可能性があると語った。
エンリケ・メイレレス財相は、連邦政府が提出した財政調整案が承認されなかった場合は、増税の必要性があると警告した。また、ジオゴ・オリヴェイラ企画相代行は、支出限度を設けなければ、ブラジル経済は負債により、ギリシャのような状態に陥ると語った。
二人は何度も、公共支出が「無秩序に」増える事や、連邦政府が抱える負債がどんどん膨らむ中で税負担を増やす事がいかに非効率的かについて言及した。また、国債の格付ランクが下がって、国際的な信用を失い、新たな国債発行が困難になれば、より大きな経済危機を迎えるとした。
オリヴェイラ企画相代行は、「連邦政府の支出は抑制を失い、景気や政治の動向とは無関係に、止まることなく増加し続けている」と語った。さらに、「支出のあり方を変えない限り、国の抱える負債は抑制できないほど増加する傾向にある」とし、現在の経済状態に対し何らかの措置を採る事の必要性を述べた上、「歳出増加は、歳入や政府の資金調達力とバランスをとるべき」とした。
メイレレス財相も、経済関係者だけでなく、社会全体がブラジルは負債の返済能力がある事を示す必要がある事と、負債返済の責任を果たすためには支出限度を設ける事が不可欠だと強調。この事をより明確に説明するため、「どんなに高い保険に加入しても、保険料を払ってもらえるという保証がなければ意味がない」とも語った。
両相は、PECの支出制限は政府の支出を突然削減する事には繋がらないとした上、次年度の予算作成の際、前年度予算をインフレ率以上に引き上げる事を禁じるのは、持続可能な状態を作り出すためだと説明した。
また、メイレレス財相は、野党議員達が唱えている、支出制限は社会政策の解体促進になるという意見を否定した。インフレ率を上限とする支出改正は、税収が減少したり、国家財政と社会政策費のあり方が非効率的になったりといった、いわゆる経済危機に陥った時も、社会政策への支出を「保持」する事を可能にするという。
メイレレス財相はさらに、「全体支出の上限を設けると共に、保健、教育部門への最低枠も設ける」と語った。
メイレレス財相は、ジウマ・ルセフ大統領が常に提唱してきた、ブラジルの財政危機は外的要因によるものという説も否定した。同相は改めて、「ブラジルの景気後退ならびに経済危機は、特定部門での免税や、慎重さを欠いた財政政策といった、国内の要因が招いたもの」との見解を明らかにした。(25日付エスタード紙より)
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