6月始めにフェルナンド・ハダジ市長が出した「レイ・ド・フリオ」と呼ばれる市長令で、路上生活者の所持品没収がなくなった事もあり、サンパウロ市北部クルゼイロ・ド・スル大通りに「直線のスラム(ファヴェーラ)」が出来ている。近隣商店街の人々は、スラムの住民は市長令以降、増えているという。26日付エスタード紙が報じた。
同大通りでは25日午後も、チエテのバスターミナルから地下鉄サンタナ駅まの約3・5キロの区間に32カ所、テントなどが張られていた。パステル屋のエジソン・フェリックス氏(55)は、二つの自転車レーンの間の空間にテントを張り、マットを持ち込んで住む人は「毎日増えており、『第1~3基地』のようなコンドミニアムもできている」という。
「基地」とは地下鉄ポルトゥゲーザ・チエテ駅やカランジル駅、サンタナ駅の周辺など、テントが集中する場所を指す。サンタナ駅周辺では路上生活者や女装者による暴行、窃盗事件が相次ぎ、駅職員や利用者、商店主らを驚かせている。
市長令は公選弁護人も加わって作成、路上生活者の問題を扱うポピ・ルア委員会の賛成も得た。
同地域では、地下鉄の男性用トイレで女装した男娼を見かける機会が増えた。薬物使用の痕跡も見つかり、暴行被害はほぼ毎日起きている。保安局は、地下鉄内の治安確保と暴行や薬物使用の取締まりのため、警官による警備強化を約束した。