サンパウロ市東部にある「サンタイザベル婦人会」及び同「親睦会」が解散するのに伴い、積立金3千レアルを寄付するため、サンパウロ市文協内にある救済会(佐藤直会長)の事務所を12日に訪れた。
同婦人会は1956年設立され、最盛期には会員は60人を越えた。会館こそ持たなかったが、場所を借用してバザーやビンゴ大会を催し、同地日系人の親睦の場を提供していた。だが、高齢化や後継者不足により会員数が激減。10年前からは活動がほぼ休止状態で、会長や副会長が亡くなった後、代わって引継ぐ会員もいなくなってしまったという。
同会で長く会計を務めてきた伊津野清美さん(74、二世)は、「先人たちががんばって貯めてくれたお金。少しでも役立てるようにしなければと思い、ごく僅かですが寄付できれば」と小切手を手渡した。
佐藤会長は「我々も色々なイベントを催して支援を募り、なんとかやってきている。そんななか、大変有難い話だ。今後も困っている人に手を差し伸べられる様に尽力したい」として感謝を述べた。
伊津野さんは「先人の努力の賜物で、資金繰りが苦しいなかでも、なんとか続けてくることができた」と振り返り、「小さな会だったけど、揉め事もなく円満で楽しい婦人会だった。解散するにあたって、皆と相談して本日来ました」と涙を浮かべながら寂しそう語り、70年の長い歴史にひっそりと幕を下ろした。