慶應義塾大学医学部国際医学研究会(IMA)の「第39次派遣団」(川久保博文団長)が今年も来伯した。3人の学生がセアラー、麻州、アマゾン、サンパウロ市などで医療研修を行っている。
医療資源の乏しい地域での活動を通して医の原点を体験し、各地の医学生と交流することが目的。1978年から継続している。
3人は6年生の夏休みを利用し、7月17日~今月31日まで滞在。初めにセアラー州アラカチ市で学童検診に参加し、麻州カナラナ市では1965年にサンパウロ州連邦大学(Unifesp)などが始めたインディオの健康支援活動「シングー・プロジェクト」に参加しインディオに白内障手術を行った。
サンパウロ市ではサンタクルス病院内の見学、4日には「第29回日伯医学生会議」に出席し、サンパウロ市立大学、サンタカーザ大学の生徒らと交流する。アマゾンでは巡回診療船に同乗、実習を行った。
小林亮太さん(26、埼玉)は、「シングーでは手術後に視力が回復した患者の様子を見て感動した。自分達の文化を守ろうとするインディオに現代の医療技術を押し付けることにならないかという難しさも感じた」と振り返った。
岡直幸さん(25、東京)は、「日本とは環境が全く違うが、医学というもので現地の人とつながれたのは良かった。異国の文化を見ることで考え方が変わった。自分たちの今回の活動を支えてくれる人々に感謝したい」と語った。
北野真奈さん(23、神奈川)も「様々な活動を通して、色々業種な人の協力で活動が出来た。本当に感謝しています」と微笑んだ。川久保先生(47、東京)は、「異国の学生との交流や実習は刺激になる。色々な事を吸収してほしい」と期待した。