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失業率増え、自営業者減少=不景気で多数の新事業失敗

 失業後に自営業を始めた人々が、経済危機により、閉業している。5~7月の3カ月間の自営業者数は、前四半期より34万2千人減った。この数は、正規雇用増加のため、前四半期比で44万5千人減少した2014年2~4月以来の大幅減少となる。31日付エスタード紙が報じた。
 小さなフランチャイズ店経営者や路上販売者、画家、サービス提供者など、従業員を雇わない自営業者は、労働市場の22%を占める。地理統計院(IBGE)の労働・収益分析官のシマル・アゼレード氏は、起業家の数が回復できずにいるのは経済活動が低迷しているからだろうと見ている。「ある人が断熱材で作ったケースを購入し、海水浴場でアイスを売り始めた。しかし、海水浴客にアイスを買うだけの経済力がなければ、売り上げは落ち、彼は求職者の列に入らなければならなくなる」と話した。
 独立・開業は正規雇用が減少した際の逃げ道とされ、14年から現在までに200万人以上が自営業者となった。5~7月の四半期の失業率は11・6%で、2~4月の11・2%より上昇。これにより、失業者の総数は3・8%増え、1180万人に達した。
 15年の場合、5~7月の自営業者数は20万1千人増えた。この時期に解雇された労働者は正規雇用者で、解雇時の手当てや勤続期間保証基金(FGTS)、失業保険などから支払われた金を元手に、起業した可能性がある。アゼレード氏は「昨年の自営業者増加は、必要に駆られて起きたものだ」という。
 投資基金Modal Assetのエコノミスト、ダニエル・シウヴァ氏も「失業者が居る家庭では、家計を助けるために同居家族が開業する場合がある」と語った。
 リッツォ・フランシーゼ社のコンサルタント、マルクス・リッツォ氏は、不景気なのに、失業手当を得た人の多くが、準備もなく、少額投資で開ける小さなフランチャイズ店を開けたりしたのが、自営業者減少の原因と見ている。