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ブラジル人が日伯学園に子供を通わせるワケ

 スザノ日伯学園は、衰退する日系団体の生き残りをかけ、既にある運動設備を学校として再活性化を図ったのが始まり。現在では生徒数500人、名門私立学校として地位を固めるまでに。
 注目すべきは日本語を学ぶ生徒数の多さだ。午前中にブラジル式の義務教育を終えた後、午後は選択制の授業。全校で非日系人が60%を越えるなか、半数以上が日本語を選択する。
 普通に考えれば日本語よりも英語の方が受験に役立つはず。だが安楽校長は「誠実さや真面目さといった価値観を身につけて欲しいと期待する保護者が多い。〃謙虚さ〃や〃遠慮〃を覚えるためか、ここに通い始めてから家でも素直になったと聞く例も多い」と語る。
 文化祭りでは卒業生をボランティアに据え、繋がりを断たないように努力していた。後継者不足という共通課題を抱える日系社会。この成功例を参考に思い切った改革を実行してみては。(航)