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GDP6四半期連続で縮小=来年こそ成長に転じるか?=17年予算も赤字不可避

17年度予算について説明するメイレーレス財相(Valter Campanato/Agência Brasil)

17年度予算について説明するメイレーレス財相(Valter Campanato/Agência Brasil)

 地理統計院(IBGE)が8月31日、第2四半期の国内総生産(GDP)の成長率は前期比マイナス0・6%、昨年同期比同3・8%で、前期比では6期連続のマイナスだったと発表したと1日付伯字紙が報じた。
 近年のブラジルでは、13年第4四半期と14年第2四半期もGDPが前期比でマイナス(14年第3四半期は0%)となっている。
 市場では2期連続で前期比マイナス成長を景気後退(リセッション)の原則としているから、ブラジルの景気後退は15年第1四半期から始まった事になるが、実際には14年第2四半期に始まり、既に9四半期に及んでいると見る人もいる。
 今回の景気後退を9四半期と見ると、GDPは7・9%縮小した。今回の景気後退は、1989年第3四半期~1992年第1四半期の11期には及ばないものの、1981年第1四半期~1983年第1四半期の9期と並ぶ。景気縮小率は81~83年が8・5%、89~92年が7・7%だから、今回は縮小率、期間共に2番目の規模だが、6期連続のマイナスは初(過去最高は4期連続)で、過去最悪となる可能性もなくはない。
 また、最近の失業率上昇もあり、第2四半期の家庭消費が0・7%マイナスとなった事などで、サービス部門のGDPも0・8%落ち込んだ。
 ただ、第2四半期のGDPを見ると、工業部門と投資が5期連続縮小後に0・3%と0・4%成長し、緩やかだが経済活動が回復し始めた兆しが見える。だが、12月末現在の経済成長率の予想は、6月末時点のマイナス3・13%がマイナス3・5%に悪化した。
 一方、8月31日は連邦政府にとり、来年度の予算案提出期限だ。31日のジウマ氏罷免後、ミシェル・テメル大統領代行が大統領に就任した事で正式に発足したテメル政権の初仕事が予算案提出となった。
 17年度の予算案は、16年の経済成長率をマイナス3・0%、17年をプラス1・6%、インフレも今年7・2%、来年4・8%を前提に作成された。現政権の経済スタッフは下半期以降の景気回復に期待しているが、1・6%の成長では基礎的財政収支を黒字化するには不充分だ。
 31日に提出された予算案はこの点も充分認識したもので、総額1兆4090億レアルの歳入から州や市に回す分2320億レアルを引いた残り1兆1770億レアルに対し、歳出見込みは1兆3160億レアル。実に1390億レアルの赤字を前提としているが、ジウマ氏の罷免審理を終えたばかりである事や、現政権の経済政策への信頼感故か、予算案提出時点では、昨年のような強い反発は起きていない。