7月15~17日に行われた「第59回日本語教師研修会」で講師を務めた新宿日本語学校江副隆秀校長(65、東京)が7月19日、同学校のポ語担当ルイス・ロベルト・マルチネス先生(34)と共に来社し、自身が取り組んでいる日本語教育方を語った。
「これ、見てくださいよ」と身を乗り出し自身のスマートフォンアプリケーションと日語教科書を見せた。教科書のページには雪などの漢字の隣に書写用の大きいマスが載っている。アプリの漢字学習モードを選び、カメラを通し教科書の雪の漢字を映すと、画面の中で雪の字が徐々に変化し雨と手の漢字になった。漢字はさらに変化し、雨を受ける手のアニメが流れた。
他にもいくつかの漢字を画面に映し見せてくれた。また、教科書に載った写真を映すと画面の中で動画になる。「漢字の成り立ちや元になったひらがな、名詞などの言葉の意味を表せるんです」と語った。日本語学習のために新宿日語学校が開発した教科書と連動するスマートフォン用アプリだ。
同外国人向け学習アプリは江副校長自らが学習に必要な動画や画像などの素材を作り、アプリ作成はNTTコミュニケーションズに依頼した。
漢字や名詞の他にも音声機能や日本語クイズなどがあり、楽しみながら学習できる優れものだ。また、漫画で描かれた文法書も発刊した。同アプリは3年前から新宿日語学校で使われ始め、現在はブラジルでの普及を目指している。
「外国で、日常語として日本語を話すコミュニティがあるのはブラジルだけ。それが廃れてしまったら大変なこと。日本語学習にますます力を入れたい」と意気込んだ。