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東西南北

 8月31日のジウマ前大統領の罷免後も、なかなかブラジルは収まらない。ジウマ氏は最高裁に罷免無効を訴える訴訟を起こし、逆にテメル大統領の民主運動党(PMDB)と民主社会党(PSDB)は、罷免後もジウマ大統領の政治生命維持を認めたことに対する訴訟を起こした。レヴァンドウスキー長官がジウマ氏の政治生命に関する投票を行うのを許したことに関しては、最高裁の同僚判事らも批判の声を上げている。エドゥアルド・クーニャ前下院議長の陣営はジウマ氏を引き合いに出して議員罷免を避けるよう主張し、ベネズエラのマドゥーロ大統領は自身への抗議デモをジウマ氏に倣って「ゴウピ」と呼び切り捨てた。
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 ジウマ氏の罷免後、全国で抗議活動が続いている。ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事は「デモは国民の権利」とし、その正当性を認めながらも、暴力で訴える破壊行為だけはやめるように訴えている。また、8月31日のサンパウロ市でのデモでは、軍警の投じた催涙ガス弾破裂の余波で、19歳の大学生、デボラ・ファブリさんが破片を左目に受けて、失明する悲劇も起きた。軍警によるデモ規制の際にこうした失態が頻発するのも問題だ。
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 現在のF1界でここ10数年にわたり、ブラジルのトップ・レーサーだったフェリペ・マッサが1日、今シーズン限りで現役を引退すると発表した。マッサは2008年にあと少しのところで年間世界王者になりそうになった。だが、翌年のレース中に起きた大事故以降は、以前のような成績をあげることが出来ずにいた。11度優勝し、41度表彰台に立った。