以前公表されたように、RERCT(通称レパトリアソン法)とは法律第13254/2016号によって公表され、通達RFB1627/2016号によって制定されている法律です。
ブラジル居住者により国外に保持または送金されていないもの、申告されていないもの、または申告に誤りがある資産や法的権利にかかる自主的な申告を許可する目的で制定されました。
RERCTを選択できるのは2014年12月31日にブラジルに居住していた個人または法人であり、保有資産や法的権利に関して、国税庁に対する申告漏れや不正確な申告を提出したものに限られます。また2014年12月31日時点において遺産相続訴訟が開始されている場合該当します。
RERCTの適用は、調整額に対する15%の所得税支払い及び、その税納付額100%に対する罰金の支払いにかかる電子形式のDERCAT(為替及び税務調整申告書)の提出後に可能となります。
最近では、税務当局がQ&A形式でこの制度について以下のサイト(http://idg.receita.fazenda.gov.br/orientacao/tributaria/declaracoes-e-demonstrativos/dercat-declaracao-de-regularizacao-cambial-e-tributaria/perguntas-e-respostas-dercat)に発表しています。
このQ&Aコーナーでは、どのような資産や法的権利が申告され、どのように税金や罰金を支払うのか、または誰がどのように本国送金できるのかについて明確な説明が掲載されています。
RERCTを選択する方は、DERCATの提出が必修となります。
DERCATは、国税庁ウェブサイトにある、e―CACで電子形式での為替及び税務調整申告書を提出する必要があります。提出期間は2016年4月4日から10月31日までとなります。
申告者は、それぞれ調整対象となる全ての資産および権利をDERCATで申告をする必要があります。
外部環境からのデータインポートは不可能であり、e―CACで直接申告を行う必要があります。
DERCAT環境は「下書き保存」は利用できませんが申告期間中の訂正は可能となります。
DERCATの修正は、元の提出済みのものと同じ性質を持つため完全に置き換えられることになり、新たに資産または権利を申告し、それらについての申告額の増減が可能となります。
提出期限後は、相談及び印刷機能のみが利用可能になります。
ブラジル当局は外国の管轄区域と協定を締結したことを視野に入れ、遅かれ早かれ国外の未申告所得につき認識すると推測されます。これは未申告資産についての唯一の調整チャンスとなります。(問い合わせ=claudio.yano@br.pwc.com この記事は、ブラジルにおける法令等の改正動向等をお知らせするため発行されたものであり、一般情報の提供を主たる目的としていますので、個別ケースに対する専門的アドバイスとして、ご利用頂けない場合がございますのであらかじめご了承下さい)