サンタクルス日伯慈善協会(石川ヘナト理事長)は、先月25日、続正剛氏(元保健大臣、医学博士)に対し、同会へ積年の功績を称え、同病院内で表彰式を行った。
同病院は、初期移民が熱帯病でバタバタと斃れるなか、当時の内山岩太郎在聖総領事をはじめ、昭和天皇の御下賜金が呼び水となり、日本政府機関等の支援を受けて設立された初の日系医療機関。42年にブラジル政府に接収され、90年代まで日系社会から経営が離れていた。
続氏は、サルネイ大統領時代に保健大臣に就任。日系社会からの同病院の返還要求を代弁し、当時のサウロ・ハモス司法大臣に働きかけ、90年1月13日に大統領令によって、日系コロニアへ経営を復帰させた立役者だ。
その後、同会院長に就任した続氏は、サンパウロ大学医学部の専門団を引き連れ総点検を行い、実業家からの資金集めに奮闘するなど、同病院の建て直しに尽力。現在でも、続氏は同会理事を務め、国際プロジェクトの誘致や国外からの優秀な医師の採用などに大きく貢献してきた。
式典には、石川理事長、関口ひとみ首席領事、野村アウレリオ市議、二宮正人評議会会長らが出席。続氏の功績が称えられると、それを受けて、「感無量の思いだ。ここまで質のよい最先端のサービスを提供できるまでに育ったのは、引継いで努力してこられた皆さんのお蔭。地域における優れた病院としてさらに名を上げてほしい」と今後に強い期待を寄せた。