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年金基金で不正損害80億レ=74人と38社一斉捜査=LJのレオ被告らも対象に

 連邦警察が5日朝、連邦直轄区と8州で、公社職員の年金基金を巡る不正容疑を摘発するグリーンフィールド作戦を敢行したと5日付伯字紙サイトが報じた。
 連警560人などが出動した作戦では、連邦直轄区の他、サンパウロ州、リオデジャネイロ、バイア、南大河、エスピリトサント、パラナ、サンタカタリーナ、アマゾナスの8州を対象に、家宅捜査と物件押収106件、強制連行と事情聴取34件、一時逮捕7件が敢行された。今回の作戦は74人と38企業が対象だ。
 不正が行われていたとされる年金基金は、連邦貯蓄銀行関連のFuncef、ペトロブラス関連のPetros、ブラジル銀行関連のPreviと郵便局関連のPostalisの四つだ。これらの年金基金が大幅な赤字に陥った件を捜査していた連警は、各基金による投資の8割が無謀かつ不正なものだったとし、一斉摘発に動いた。
 年金基金を巡る不正を疑う声は15年に高まり、同年8月には連邦議会が議会調査委員会(CPI)を設置した。同委員会の報告書には353の個人や団体、企業などが66億レアルに及ぶ不正に関与したとしているが、連警の試算では不正額は最低80億レアルと見られている。
 サンパウロ州で捜査対象となった企業は、JBSの経営母体のJ&Fホールディングを管理しているエルドラード、建設大手のエンジェヴィックス、OAS、WTorreだ。これら4社は皆、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)で告発されている。
 OAS元社長のレオ・ピニェイロ被告は強制連行と事情聴取の対象だったが、その後に再逮捕となり、パラナ州クリチバに移送された。同被告は報奨付供述を行う事で検察庁と合意が成立して自宅に戻っていたが、供述内容漏洩などで報奨付供述が停止されていた。クリチバ連邦地裁のセルジオ・モロ判事は、同被告によるLJの捜査妨害は明らかとして、同被告の再逮捕を命じた。
 ピニェイロ被告は、サンパウロ州グアルジャーの三層住宅をルーラ元大統領に提供し、無償改修するなどして、贈賄、文書偽造などの罪に問われている。また、2014年に開設されたペトロブラス関連の疑惑を扱う上下両院合同CPIで、ジン・アルジェロ元上議に賄賂を贈り、捜査の妨害を試みたとされている。
 なお、5日の連警の作戦では、やはりLJで起訴された労働者党(PT)元中央会計のジョアン・ヴァカリ・ネット被告も家宅捜査の対象とされた。