ブラジルの独立記念日にあたる7日、リオ市マラカナン・スタジアムで、160カ国、4300人の選手の参加を得て、リオ・パラリンピックの開会式が開催されたと8日付伯字紙が報じた。
「皆が心臓を持っている」「どの体にも心臓がある」の二通りに訳せるモットーを掲げた開会式は、シンプルな中にも、創意工夫を凝らしたプログラムが衆目を集めた。
開会式は雨の中で行われたが、ブラジル国旗掲揚の場面では、パラソルで会場に国旗を描き出す一方で、多系統萎縮症(MSA)で指の動きが制限されている指揮者でピアニストのジョアン・カルロス・マルティンス氏が国歌を演奏し、大きな拍手を浴びた。
今大会のモットーを象徴したのは、各国選手団入場時に掲げた、国名を記したボードを継ぎ合わせ、全選手の写真を繋いで一つの心臓を形作った巨大パネルだ。すべての生き物は血液が通ってこそ生命を営む事ができる事やすべての人が平等である事、すべての人の思いや命を集めて大会が開催される事などを象徴する絵が、この心臓を中心に次々に描き出された。
また、父親の助けを借りてパラリンピックの旗を掲げて行進した、普段は車椅子で生活する8人の子供達や、各国選手達の喜びや誇りに満ちた顔も大きな感動を呼んだ。
プログラムには、視覚障害を持つ男女のカップルによるダンス、スノーボードの金メダリストで米国人のエイミー・パーディと人の腕形ロボット「クカ」によるダンスなども取り入れられた。エイミーは途中で義足を取り替えながら、リオに通って覚えたサンバなどを披露した。
聖火リレーでは、2番手のランナーで1984年のニューヨークでのパラリンピックでブラジル初の金メダルを獲得したマルシア・マウサルが足を滑らせて転倒したものの、すぐ立ち上がり、聖火リレーを継続し、大きな拍手を浴びた。
また、車椅子の最終ランナー、クロドアウド・シウヴァが聖火台の下で階段を前に動けなくなった場面では、階段中央部が前にせり出してスロープに変わるという凝った演出が用意された。
雨で滑り易くなったスロープを登りきったクロドアウドが聖火台に点火し、上から降りてきた太陽を象ったアームが火皿ごと持ち上げられた聖火の熱で回転し始めると、一斉に花火が打ち上げられ、セウ・ジョルジの歌をもって開会式は幕を閉じた。
開会式にはテメル大統領が夫人同伴で出席し、開会宣言も行ったが、計4回の野次が飛んだ上、電光掲示板に姿が映し出される事もなかった。