日本のソプラノ歌手、工藤篤子さんによる全伯ツアーが9日、南麻州を皮切りに幕開けする。来月3日まで、ピアニスト宮島紀子さんと共に全伯13カ所を巡る。ブラジル日系キリスト教連盟(湯浅敬理事長)主催。
スペイン国立声楽院に留学し、1987年にスペイン・ヤマハコンクールで1位を受賞。現在は日独を拠点とし、音楽を通じた伝道活動にも励んでいる。
地中海ソプラノ歌手の第一人者として知られ、金管楽器のようなイタリアのオペラとは異なる、光と陰のある柔らかな歌声が特徴という。
工藤さんにとってブラジルツアーは今回で2回目。ニッケイパラセホテルで6日に会見し、意気込みと移民への敬意を口にした。「異国で様々な困難に直面し、自我や誇りを見失わなかった日系移民。彼らに福音を伝えてゆく気持ちをより強く持った」と語る。
そんな意図から公演では、賛美歌など神から導かれていない音楽は切り離し、「アメイジング・グレイス」や、ナチスドイツにより強制収容所へ収監された牧師が、死に至るまで信仰を貫き通した希望の詩「よき力に守られて」などを披露する。
「呼ばれるかのよう渡ったスペインで、真の神と出会い救われた。より多くの人が霊的な豊かさを得て、良い人生を歩めるように、神様の愛を歌に乗せて届けたい」と意気込みを見せた。日程は以下の通り。
▼9日午後4時半、10日午後6時半=カンポ・グランデ市ホーリネス教会 ▼13、14両日午後8時=タンガラ・ダ・セーハ市ホーリネス教会 ▼17日午前10時=マリリア市日本人会館 ▼同日午後7時半=ポンペイア市ホーリネス教会 ▼18日午後7時半=同市日本人会館 ▼20日午後4時=ポルト・アレグレ市ルーテル教会 ▼24日午後3時=ソロカバ市文化促進会館 ▼25日午後2時=カンピーナス市議会 ▼28日午後7時=サン・ジョゼ・ドス・カンポス市ホーリネス教会 ▼10月1日午後3時=サンパウロ市文協 ▼3日午前9時=サンパウロ市リベルダーデ・ホーリネス教会