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高校の成績改善はいつ?=5年生ポ語は目標超える=9年生以降の指数はまだ低迷

 教育省が8日に発表した15年度の基礎教育開発指数(Ideb)によると、高校3年次の指数は13年度を下回り、履修要綱見直しなどが必要である事が判明したと9日付伯字紙が報じた。
 Idebは、全国の公立校と私立校の5年生と9年生、高校3年生を対象としたポ語と数学(算数)の試験結果と、進級率や留年・中退率を2年毎に評価し、指数化したものだ。
 ポ語と数学の成績は8日付フォーリャ紙が先駆けて報じており、5年生のポ語は、教育省がさだめた目標値の200点を超える208点に達したが、それ以外はどの学年も目標値を下回った。
 だが、5年生は、ポ語が13年を12点上回った上、算数も前回を8点上回る219点で、目標の225点に徐々に近づいている。
 9年生は、ポ語が252点(目標275点)、数学が256点(同300点)で、いずれも前回を上回ったが、5年生ほど改善していない。
 一番問題なのは高校3年生で、ポ語が目標300点に対し267点、数学も350点に対し267点で、いずれも、11年の269点と275点を下回った。高校生の成績は13年に前回を下回り、現場に懸念が広がっていたが、ポ語は3点改善したのみ。数学の場合は前回の270点にも届かず、評価開始の05年以来、最低だった。
 高校は、進級率なども加味したIdebでも目標の4・3を大きく下回る3・7で、13年の目標の3・9さえ達成できなかった。
 高校生の85%にあたる680万人が在籍する公立高校のIdebは、3・4から3・5に僅かに改善したが、私立校のIdebは、5・4から5・3に低下した。
 高校のIdebが最も高かった州はペルナンブコとサンパウロ州の3・9で、ゴイアス3・8、エスピリトサント3・7、リオとパラナ3・6と続く。Idebは18州で前回より改善したが、目標値は州毎に違うため、目標達成はペルナンブコ(3・9)とアマゾナス(3・1に対し3・5)の2州のみだった。
 サンパウロ州の場合、5年生のIdebは目標値5・8に対し6・4で、目標を上回る状態が続いているが、9年生は5に対して4・7、高校3年生は4・2に対し3・9(13年度は3・9に対して3・7だった)で、目標が達成できずにいる。
 高校の成績やIdebは1~9年生で習得したものが基礎となるため、急速な改善を望むのは困難だが、連邦議会は高校課程の履修要綱などを見直しており、教員養成強化や統一カリキュラム作成、全日制移行、専門課程との連結といった策が採られる可能性もある。