10月2日に行われるサンパウロ市市長選に関するダッタフォーリャの最新アンケートで、これまで支持率で圧倒的に優位だったセウソ・ルッソマノ氏(ブラジル共和党・PRB)の支持率が落ち、マルタ・スプリシー氏(民主運動党・PMDB)とジョアン・ドリア氏(民主社会党・PSDB)の猛追を受けていることがわかった。10日付伯字紙が報じている。
選挙宣伝の放送開始後初のアンケートは、8日にサンパウロ市民1092人を対象に行われた。ルッソマノ氏の支持率は前回8月23~24日の31%から26%に落ちた。
逆に元市長のマルタ氏は、前回の16%から21%に上昇した。統計上の誤差は上下3%だから、ルッソマノ氏とマルタ氏は誤差を入れると統計上は引き分けとなる。
これまでのアンケートでは、決選投票にもつれこんだ場合、ルッソマノ氏はどの候補にも圧勝すると予想されていたが、今回の調査ではルッソマノ氏がマルタ氏に勝てるとの見込みを保ったものの、その差は「45%対38%」で、前回の「51%対32%」よりもかなり狭まっている。
また前回5位だったドリア氏は、前回の支持率5%を16%に一気に伸ばし、3位に入った。これは、ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事(PSDB)が後ろ盾となってドリア氏支持の連立で多くの政党を集めたため、選挙放送の時間が圧倒的に長くなった利点が活きた形となった。ドリア氏の持ち時間はルッソマノ氏の持ち時間の3倍にあたる。ドリア氏とマルタ氏も統計上は引き分けだ。
マルタ氏とドリア氏が急浮上して来たのは、両者がそれぞれの地盤で票を獲得しはじめたためと見られている。元労働者党(PT)のマルタ氏は市周辺部の貧しい地域や女性からの票が増え、ドリア氏は市の中央部の富裕層や男性票が増えたと見られている。
一方、ルッソマノ氏はタクシー業界保護の立場から、サンパウロ市民に定着しつつあるタクシーの新サービス「ウーベル」を廃止させたいと発言したのも響いたのではないかとも言われている。ルッソマノ氏は12年のサンパウロ市長選時も、選挙前は高かった支持率が直前に急落し、一次投票で3位に終わった経緯がある。
また、現職のフェルナンド・ハダジ市長(PT)は今回も票が伸び悩み、8%から9%に微増しただけの4位に甘んじた。前回は3位だったが、10%あった支持率が7%に落ちた元市長のルイーザ・エルンジーナ氏(社会主義自由党・PSOL)は5位に終わった。同氏の後退は所属政党の規模上、選挙放送の持ち時間が10秒しかないのが響いた形だ。
再選に向けて苦しい戦いとなっているハダジ氏に対しては、ルーラ元大統領も応援演説をはじめたが、ルーラ氏は現在、ラヴァ・ジャット作戦の捜査でグアルジャーの豪邸を介した収賄などの疑惑の最中にあり、追い風にはなりにくい。
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