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2年間で計20万人に=自動車関連業界の雇用減=製造から販売の3分野で

 14年以降、製造や販売が大きく落ち込んだ事で、自動車関連業界の雇用減は総計20万人に及んでいる。
 景気減速で消費者の購買力低下などが顕著になり、銀行融資枠も縮小し始めた14年以降、自動車業界では新車販売減や過剰在庫、それに伴う生産調整が続いている。
 消費者の購買力の低下は、毎日必要な生活必需品よりも、分割払いで購入する事が多い高額商品の販売減少という形で現れやすい。
 自動車産業はその最たるもので、8月27日付エスタード紙には、1~8月の自動車販売は昨年同期比で23%減、年間では昨年比19%減との見通しも掲載された。
 新車販売が落ち込めば過剰在庫を避けるための生産調整も必要で、多くの会社がレイオフや集団休暇、自主退職、解雇といった措置を採る事を余儀なくされている。
 12日付エスタード紙によれば、13年末時点の自動車製造業界の従業員総数は15万7千人だが、8月末現在は12万6千人で3万1千減少した。また、雇用者の内2500人はレイオフで5カ月間の雇用契約停止となっており、1万9800人は就業時間と給与を削減して雇用を確保する雇用保護計画(PPE)の対象となっている。
 景気減速が表面化して以来、連邦政府は常に、自動車産業保護のための減税措置などを採る際の交換条件として、雇用確保を要請してきた。
 だが、政治的、経済的な混乱が顕著になり始めた14年以降、乗用車や軽量商用車、トラック、バスの販売実績と製造台数は落ち込む一方で、製造会社の自主退職者募集や解雇は止まらない。
 メルセデス・ベンツが7日に発表したサンパウロ州ABC地区従業員370人の解雇は、予定していた1400人との差を埋めるためにとられた措置だ。同社の場合、自主退職者には10万レアルを上乗せするとの好条件だったにも関わらず、自主退職を申し出た従業員は1047人のみだった。
 自主退職者募集はフォルクス・ワーゲンでも行われており、ABC地区では既に1200人が応募。サンパウロ州タウバテやパラナ州サンジョゼ・ドス・ピニャイスの工場でも募集が始まる見込みだ。
 また、自動車製造の落ち込みで、部品製造業界で5万人以上、販売店関係でも12万4千人が解雇されており、関連業界全体では20万人以上が失職した計算になる。
 今年末現在の新車販売台数は多くても200万台と予想されており、09~14年並の300万台の大台に戻るのは少なくとも4年先との見方もある。
 ただし、自動車産業を含む製造・加工業界は、緩やかだが回復の兆しが見え始めたとも言われ、2017年の自動車販売台数は200万台の大台を超えるとの見方も出始めている。