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明日の博物館で難民の作品展=「可能性のある地平線―避難所としての芸術」

 リオデジャネイロ市北部の港湾地区マウアー広場にある「明日の博物館」で、13日から「可能性のある地平線―避難所としての芸術」と題する展覧会が始まった。25日まで11の作品が展示される。
 出展者の一人、ケト・カボンゴ氏は、コンゴ共和国北東部のイトゥリ州からブラジルに避難してきた。「州で内戦が起こり、スーダンの港へ向かった。その後15日間波に揺られ、ブラジルに着いた」と語った。
 明日の博物館での展覧会出展作品には、出生地の特産物を選んだ。カボンゴ氏が持ち込んだのは陶器の作品で、「陶器の郷としての街を表現したかった」と語った。
 国際連合によると、第2次世界大戦以降、世界がこれほど大きな人道危機に直面した事はないという。現在、世界中には他国に亡命している難民や亡命者が6500万人以上いる。大部分が戦争や紛争、宗教、民族迫害から逃げた人々だ。
 展覧会の学芸員であるフェリペ・モライス氏は、今回の展覧会の目的は、ブラジルではまだ現実のものとなっていない人道的な危機の実態を、一般の人に見せる事だという。「私たちは難民問題について人々に学んで欲しい。難民は様々な歴史と生きる希望を持った人間だ。この展覧会では難民の力強さを表すと共に、我々とはまったく異なった視点から問題を見つめることで難民の状況を想像して欲しいと願っている」という。
 展覧会は明日の博物館とリオのカリタス大司教区の協力で開催される。主催者達は、難民問題について広く一般に訴えると共に、作品展示によって難民アーティストをリオのカルチャーシーンに取り込み、彼らが芸術活動を諦めないよう促す事を期待している。
 カボンゴ氏以外の出展者は、同じコンゴ共和国からの難民のセルジ・マカンズ・キアラ氏と、シリア難民のアリ・アブドゥラ氏、アナス・ルジャブ氏だ。
 コンゴ共和国はアフリカで最も豊かな国の一つでありながら、1993年の内戦開始以来、20年以上、紛争が続き、国民が疲弊。03年7月に終戦を迎えたはずの第2次コンゴ戦争後もまだ、紛争が続いている。また、シリアは11年から政府軍と反対制派による内戦が続き、すでに28万人が殺害されたとの報道が出ている。(13日付G1サイトなどより)