13日から、ヨーロッパのサッカー・リーグの最高峰、欧州チャンピオンズ・リーグで、32チームによるグループ・リーグがはじまった。ブラジル人選手が多いこの大会は、国内の全国選手権と並んで楽しみな大会でもある。
今回、このチャンピオンズ・リーグに関し、ひとつのデータを出してみた。それは、13、14日に行われたグループ・リーグ開幕戦で、どの国出身の選手がもっとも先発メンバーに名を連ねたか、というものだ。
その結果を集計したら、上位6チームは以下のようになった。
1位スペイン(35人)、2位ブラジル(31人)、3位フランス(28人)、4位ドイツ(24人)、5位ポルトガル(20人)、6位アルゼンチン(17人)。
これはあくまで「先発メンバー」なので、途中出場の選手や、普段はレギュラーだが故障などでこの日だけは出場しなかったという選手は含まれていない。ただ、どこの国も、大なり小なり、こうした事情は生じるので、内容的な誤差はそれほど大きく変わらない。
ブラジルだと、ルーカス(PSG)やガンソ(セヴィージャ)などは先発メンバーの数に含まれていない。
こうして見ると、「以前ほど強くなくなった」などと言われつつも、選手の人数から見ると、ブラジルはまだ恵まれている状況だといえる。今年の場合、ブラジル人選手がレギュラーに多いことで知られる出場常連チームのチェルシー(イングランド)やシャフタル・ドネツク(ウクライナ)が出場を逃しても30人以上と、南米のライバル国、アルゼンチンの2倍近い数を確保できているのは注目すべきところだろう。
ちなみに、ウルグアイ、チリ、コロンビアといった他の南米諸国は、近年「強くなった」と言われつつも、どこもせいぜい5、6人程度の結果だった。こういう状況だと、ブラジルがこれらの国に代表の試合で敗れても、「選手がいないから」という言い訳は決してできなくなる。
ただブラジルの場合、選手にディフェンダーの占める割合が高く、フォワード、しかもそれが優勝の狙えそうなチームに少ない点が課題だ。その点は、フォワードの選手の割合が高いアルゼンチンとは対照的な結果だ。
また、ヨーロッパではスペインが圧倒的に人数が多い。これは同国のチームが4チーム参加していることと共に、他国の戦力としても重宝されている事情がある。その点においてはフランスやドイツも同様だ。
その一方で、イングランドが14人、イタリアが10人で、古くから知られる強豪国の中では意外なほど少なくなっていることにも注目だ。これはいずれも、国内上位の強豪で南米、東欧、アフリカからの移籍選手への依存度が高まっていることが背景にある。イングランドに関しては、今年はレスターやトッテナムと、国内選手が多いチームが進出しているのに、この数字だったことが、このあたりの事情を如実に物語っている。