【既報関連】14日、ルーラ元大統領(労働者党・PT)が、連邦検察庁から正式に起訴され、国内外が騒然となった。同氏の容疑はサンパウロ州グアルジャーの高級三層住宅などを媒介としたOAS社からの収賄と資金洗浄だが、検察庁側は同日、ルーラ氏は「ペトロロンを含むあらゆる汚職の仕掛け人そのもの」という見解も表明した。15日付伯字紙が報じている。
三層住宅問題に関してはサンパウロ州検察局が既に訴えを起こしていたが、連邦検察庁も正式にルーラ氏を起訴したことで、事態は新しい局面を迎えた。検察庁が訴えたのはルーラ氏、夫人のマリーザ氏、ルーラ研究所所長のパウロ・オカモト氏、レオ・ピニェイロ被告をはじめとするOAS社の関係者5人で、資金洗浄、贈収賄などの罪に問われている。
この件でルーラ氏はOASから370万レアルの直接的な恩恵を受けたと検察庁は見ている。内訳は、三層住宅購買費110万レ、改装費が92万6千レ、キッチンや家具、電化製品の購入と設置35万1千レ、大統領官邸から運び出した荷物を預かっていたグラネロ社倉庫の賃貸・管理料130万レとなっている。
だが、検察庁がルーラ氏に対して抱いている疑惑はこれだけにとどまらない。検察庁クリチバ支部でラヴァ・ジャット作戦を担当するデルタン・ダラグノル検察官は同日開かれた記者会見で、ペトロブラス関連の汚職(ペトロロン)を含む「一連の汚職を指揮していた張本人はルーラ氏だ」と断定した。
ダラグノル検察官はコンピューターのパワー・ポイントで作った図を見せながら、ルーラ氏を巡る疑惑について説明した。同氏が用いた図の一つは、「ルーラ」と書かれた円を「非合法的な富の蓄積」「メンサロン」「ペトロロン」「ジョゼ・ジルセウ」「供述」などと書かれた14の円が囲み、各項目から中央の円に矢印が向かうという、かなり大胆なものだった。
同検察官は149ページに及ぶ報告書の中で、ペトロブラスの事業契約に関連する賄賂として、PTや民主運動党(PMDB)、進歩党(PP)の政治家に金が支払われていた大型汚職(ペトロロン)の仕掛け人がルーラ氏である証拠が14あるとし、それらがペトロブラスの元役員や企業家らの証言から浮上したものだとした。
今回の起訴の対象とされたのは、OAS社がペトロブラスと結んだ、パラナ州ジェツリオ・ヴァルガス製油所、ペルナンブッコ州アブレウ・エ・リマ製油所の建設に関する事業契約3件にまつわる贈収賄容疑で、検察は横流しされたとされる8760万レ分の資産の差し押さえも要請した。
この告発を、ルーラ氏は「でたらめだ」と否定した。ジウマ前大統領も「(自身の罷免に続き)また民主主義が脅かされている」と発言し、18年の大統領選にルーラ氏を出馬させないための陰謀だとした。
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