大サンパウロ市圏=低所得者層の学校が健闘=7校が教育指数ノルマ早期達成
大サンパウロ市圏で、低所得者の子女が通う公立校ながら、15年の基礎教育開発指数(Ideb)が21年までの目標値を上回った学校が7校あったと15日付フォーリャ紙が報じている。
Idebは2年毎に算出され、「1~5年生」「6~9年生」の評価を5年生と9年生を対象とするポ語と算数(数学)の試験などを基に行う。サンパウロ州の公立校全体の21年の目標値は1~5年生が6・6、6~9年生は5・8。学校毎の目標値は別に決まっている。
大サンパウロ市圏で15年に21年までの目標値を達成した低所得者層の公立校は、1~5年生が55校中3校(5%)、6~9年生は132校中4校(2%)あった。大サンパウロ市圏の場合、高所得者層の学校で21年の目標値を達成した学校は1~5年が1015校中152校(15%)、6~9年は1955校中31校(2%)だった。
サンパウロ市南部の10万人超の大型ファヴェーラ、パライゾーポリスのCEU(統合教育センター)では、11年は3・8だったIdebが15年は5・7に上がり、21年までの目標値5・6を超えた。同校のシモーネ・ロシャ校長は、その秘訣は毎月行っている父母の面談会にあるという。「教育は役所仕事と違い、つきっきりで行うものだ」と語る同校長は、ほとんど全ての生徒の顔と名前が一致するよう心がけているという。
また、サンパウロ市南部郊外のエンブー・グアスー市にある市立アルフレッド・シュンク校は、15年のIdebが13年の6・2から7・0に急伸し、注目されている。同校は農村部にあり、学校へ行けば給食が食べさせてもらえると考えるような家庭の生徒が大半だ。09年には強盗に全てのコンピューターを盗まれたりもしたが、22人いる教師のほとんどは10年以上の在籍者で、生徒の習熟度をしっかり把握した教育を行っている。