移民百周年記念協会(上原幸啓理事長)は、最後の事業であるポ語版百年史の刊行を4月に終え、1日に文協貴賓室で解散式を行なった。式典では中前隆博在聖総領事、日系3団体会長ほか関係者約30人が集まった。
挨拶に立った上原理事長は、全伯で遂行された300以上の事業について、「戦時中は敵性国民だった日系人がここまでの尊敬を勝ち取り、大々的な祝福を受けた。ブラジル政府が、ある人種に対して顕彰をするのは初めてだった」と感慨深げに語った。
「日系コロニアだけでなく、日本政府や皇室を始めブラジル外務省やサンパウロ市長、本当に多くの人が協力してくれた。それを思うと感謝の気持ちで一杯だ」と振り返り、「五輪開会式での日本人移民への顕彰も、百周年記念の続きを見ているかのようだった」と喜びを見せた。
中前総領事も、日本での記念式典にご臨席された天皇皇后両陛下や皇太子殿下のご来訪などに触れ、「心に残る感動的な遺産になった」と語り、呉屋会長は「記念事業の知見を、次なる110周年へ活かしていきたい」と意気込みを見せた。
記念事業の成功の理由について上原理事は、「移民が教育勅語による道徳を体現し、互いに尊敬しあい、努力に努力を重ねてきたからこそ、日系人の少ない地域でもブラジル人の協力を得て、連携を強くし、記念事業を成功に導けたのではないか」と振り返った。
最後は全員で祝杯をあげ、2003年の設立から一連の大事業への労苦を労い、穏やかな雰囲気で解散した。