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サンパイオ・モレイラ復活=2017年末目度に再開へ

サンパイオ・モレイラ(ウィキペディアより)

サンパイオ・モレイラ(ウィキペディアより)

 サンパウロ市中央区にあるサンパイオ・モレイラが、5年の歳月と2千万レをかけた改修工事の末、来年末に再開する。
 サンパイオ・モレイラは「サンパウロの元祖超高層建築物」だ。当初の予定では、2011年に始まって2012年に完成するはずの改修工事は、様々な事情が重なって、いまだに完成していない。
 13階建ての建物は市文化局により保存され、講堂と広場、建物内の植物園、レストランも設けられる予定だが、サンパウロ市役所の見通しでは、来年末は施設全てが完成しきらないままで、見切り発車的に再開されると見込みだ。
 例えば、講堂に新しい椅子や家具などが設置されるか否かは、予算と新しい入札の結果次第だ。また、建物に隣接した約400平方メートルの広場完成は第2段階の予定だ。
 現在進行中の計画は、当初のプロジェクトをサンパウロ市が簡便化したものだ。建築家のサムエル・クルチン氏は建物内の壁にある絵画全ての復元を提案した。だが、市内の公共物の建築などを担当する「サンパウロ・オブラス」の指揮官、ジョルジ・セシン氏によれば「現在の入札には絵画の修復は含まれていない」という。
 元々のサンパイオ・モレイラの姿を残すのは、クリスチアーノ・ストックレル・ダス・ネーヴィス(1889-1924)の事務所があった5階のみで、この階はそのまま、博物館として扱われる。また、ネーヴィスの事務所の横にあるバルコニーは屋内庭園となる予定だ。クルチン氏のプロジェクトでは、この庭園は建物の2区画をつなぐ橋の上から観賞できることになっている。
 ネーヴィスの事務所の横にある応接間の壁には彼の時代の詩が記され、絵やペナントなどが16個飾られている。これらの絵画やペナントはこのまま保存される予定だ。
 サンパイオ・モレイラは1920年、市内で一番高い商業施設として開いた。「市内一高い建物」という称号は、1929年に建てられた、30階建てのエジフィーシオ・マルチネッリに奪われた。サンパイオ・モレイラはサンパウロ市歴史・文化・環境遺産保存審議会によって文化遺産に指定されており、2008年に市役所が510万レで買収した。
(16日付エスタード紙より)