18日夜、サンパウロ市市長選の公開討論会がガゼッタ局で行われ、6人の候補が参加した。この日、最も質問が集中したのは支持率2位のマルタ・スプリシー上議(民主運動党・PMDB)で、支持率の伸張著しいジョアン・ドリア氏(民主社会党・PSDB)には大きな質問が行かず、同氏の印象を変えるようなことは起きなかった。19日付伯字紙が報じている。
ダッタフォーリャの最新調査で、支持率21%で2位だったマルタ氏は、同4位(9%)の現職のフェルナンド・ハダジ市長(労働者党・PT)と、同5位(7%)のルイーザ・エルンジーナ下議(社会主義自由党・PSOL)から質問攻めにあった。3氏ともいずれもPT所属または出身者だ。
ハダジ氏とエルンジーナ氏は、マルタ氏がジウマ前大統領を罷免に追い込んだミシェル・テメル前大統領の政党、PMDBに移籍したことを批難した。
マルタ氏は党移籍の理由を「PTがあまりにも汚い汚職システムを作り上げ、国政権力をずっと握ろうとしていたから」と答えた。するとエルンジーナ氏が「(ラヴァ・ジャット作戦《LJ》に関与したとして罷免された前下院議長の)エドゥアルド・クーニャ氏の政党に移籍するのは矛盾ではないか」と指摘したが、マルタ氏は「私はLJの捜査を支持しているし、30年に及ぶ政治家人生の中で私自身が訴えられたことは一度もない」と切り替えした。
またハダジ氏は、「テメル政権の打ち出す財政支出の上限案に従うと、地方での投資は滞る」と国政批判を展開した。
一方、前回のダッタフォーリャ調査ではマルタ氏以上に支持率を伸ばして3位(16%)にのし上がったドリア氏には質問があまり飛ばず、わずかにマルタ氏が、企業家出身の同氏に「経済利益を追求して市民の実情を見ていない」と批判したにすぎなかった。
他候補から厳しい攻撃を受けていたのは、むしろ、ハダジ氏だった。同氏が「30年間、党移籍もしていない私が最も首尾一貫している候補者だ」というと、支持率6位のマジョール・オリンピオ氏(連帯・SD)が「あなたの党はテレビでルーラ氏を擁護するのに必死だ」と、先週ルーラ氏が検察庁から告発されたことを皮肉った。ドリア氏も「1200万人を失業させ、汚職を招いた政党に(長年)いることは、効果的な市政を施行できる証拠にはならない」と指摘した。
支持率1位(26%)のセウソ・ルッソマノ下議(ブラジル共和党・PRB)はハダジ氏に対し、タクシーの新興業者ウーベルとの関係性の透明度を質問した。同氏は「ウーベルを廃止させたい」と発言したことで市民の反感を買って支持率を落としたため、別戦略で切り込んだ形だった。
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