18日にスペインで、ブラジル人一家4人が、自宅の内でバラバラに惨殺された姿で発見され、波紋を広げている。19日付伯字紙が報じている。
遺体が発見されたのは現地時間で18日未明のことだった。場所は首都マドリッドから60キロほど離れたグアダラハラ近くの人口4千人の村、ピォズだった。
現地の警察の発表によると、殺害されたのは男性と女性、その子供と見られる4歳と1歳のブラジル人で、現時点で名前や子供の性別などは公表されていない。
被害者らの発見は、近隣住民からの「異州がする」との情報を聞きつけた捜査官がこの家にかけつけ、呼び鈴を押しても誰も現れないため、予備の鍵を近隣住民から借りて入ったところ、居間に6つの大型ゴミ袋が置いてあり、そこに家族の遺体が置いてあったという。
検視官の話によると、遺体には暴力を受けた痕跡がなく、戸や窓ガラスも壊れておらず、ナイフで行なったとおぼしき切断の跡から推測するに、プロの殺し屋による犯罪ではないかとにらんでいる。
また、この周辺は野原に囲まれた地帯で、警備員も一人しかいないようなところだった。
住民らの話によると、この一家は7月にこの家に越して来ており、「ペドロ」と呼ばれていたらしき男性とこの一家は、それ以来、外出する姿はあまり見られず、先月から誰も姿を見ていなかったという。
また、この家そのものは借家で、もとの持ち主はマドリッドに引越しをしていたという。
現地警察はこの一家の惨殺を、麻薬取引に関わるものではないかと見て捜査を進めている。彼らによると、グアダラハラ近辺では、周辺都市のパロマレスでも今月3日に同じようなバラバラ死体が発見されていたという。警察は、一家が借金、もしくは運び屋との関係から逃れ、この家にたどりついたのではないかとの憶測も立てている。