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政治献金禁止法=過去の贈収賄疑惑に恩赦?=地方選候補の資金不足に乗じ=LJ捜査妨害ともなる動き=政治浄化望む議員らが反対

ロドリゴ・マイア下院議長(Flávio Soares/Câmara dos Deputados)
ロドリゴ・マイア下院議長(Flávio Soares/Câmara dos Deputados)

 ラヴァ・ジャット作戦(LJ)でも捜査対象となっている案件であるにも関わらず、下院で19日、選挙時の裏金疑惑(2重帳簿による贈収賄)に恩赦を与えようとする法案の審議が行われたとして、問題となっている。20日付エスタード紙が報じている。

 この問題が浮上した発端は、LJで選挙時の裏金疑惑が多数暴かれるのを見た連邦議会が「企業献金は政党に対してのみ認め、2千万レを上限とする」との法案を承認、その原則が今年の地方選(市長・市議選)から適用されていることだ。
 選挙時の裏金は、連邦検察庁がLJで得た経験を基にまとめて議会に提出、審議中の汚職撲滅法案でも、厳罰に処すよう提案されている。最高裁は15年9月、汚職誘発を理由に「政党や立候補者への企業献金は違憲」との見解も出した。
 だが、地方選投票日まで2週間を切り、選挙活動費の不足を訴えたり、不法献金を受け取ったと告発されたりする候補が多い。その中で、連邦議会では、07年から下院で審議されている法案に、同法案承認前に起きた裏金疑惑は不問とするとの一文も加筆した上で、15年9月に下院が承認した、選挙に出馬する候補者個人への企業献金を復活させる憲法補足法案(PEC)を再審議する動きもある。
 7月に就任したロドリゴ・マイア下院議長(民主党・DEM)は19日、市長選前に同PECの審議を行うことを認めた。レナン・カリェイロス上院議長(民主運動党・PMDB)も、上院での審議を早めて協力する姿勢を見せた。
 裏金の犯罪化推進派議員であるカルロス・サンパイオ下議(民主社会党・PSDB)は、裏金疑惑に恩赦を与えるとの考えを否定し、「検察庁の提案のままだといくつかの疑問点が残る。裏金は犯罪だと決めるなら、議会で話し合い、すべての疑問を明確にする必要がある」と語った。
 ただ、過去の裏金疑惑は不問とする件は全議員の同意を得ておらず、17年の予算に関する審議を行うつもりで集まった議員たちから同法案の審議に反対する声が上がった。そのため、下院の審議司会者の第1書記が、同法案を19日の議題から外した。政治浄化を望む議員たちの反対は強く、20日に行なわれた下院での会議も紛糾している。
 LJでは、選挙時の政治家への贈賄を疑われる汚職企業からの献金も大きな問題のひとつだ。例えば、オデブレヒト社前社長のマルセロ・オデブレヒト被告がジウマ氏が初当選した2010年の大統領選で大口献金を行い、選挙参謀のジョアン・サンターナ被告の隠し口座に金が振り込まれたことや、UTC社のリカルド・ペッソア被告もルーラ氏が再選を狙った06年の大統領選で、隠し口座に贈賄を行ったことなどが、報奨付証言の中で語られている。
 過去の裏金疑惑に恩赦を与えることは、こうした件でのLJ捜査を妨害する可能性も強い。

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