鹿児島大学水産学部の前田広人農学博士(62、鹿児島)が、学術提携先の開拓のため今月6日から来伯。サンパウロ大学(USP)、アマゾニア農科大学などとの提携を模索した。
水産物養殖が盛んな東南アジアと強い関係を持つ同大学だが、ブラジルには日本国外唯一の大学同窓会があるものの、関係機関との学術提携はなかった。来社前にはUSPを訪れ、海洋学部の教授らと意見交換した。前田博士は「日本で研究したいという先生が多くいた」との好感触を語る。
同大の水産学部博士課程は現在、留学生が7割を占めるという。エジプトや東南アジア圏、イスラム法上で許された食材や料理を指すハラール関係が多い。
前田博士は「日本では市場縮小に伴い水産物需要が減る一方、世界での需要は伸びている。日本の高い技術力を温存しておくため、人的交流による活性化を図りたい」として、今後の発展に意気込みを見せた。