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上智大学、リオパラを視察=東京大会へ協力関係を模索

当地の障害者らとも意見交換した関係者(提供写真)

当地の障害者らとも意見交換した関係者(提供写真)

 4年後の東京パラリンピックを見据えて、上智大学の教職員及び生徒を含む6人が、開催中のリオ・パラリンピックを視察するためにブラジルを訪れた。
 キリスト教ヒューマニズムの精神を根幹として、「他者のために他者とともに生きる」を教育理念とする同校。同大会を共生社会の象徴的イベントとして捉え、東京大会に大学としてどう関われるか調査することが目的だ。
 今年4月には教職員の間で、ソフィア・オリンピック・パラリンピック・プロジェクトが発足。外国語を活かすことはもちろん、若い世代が、パラリンピックを契機に社会的包摂について考え、共生社会の実現に向けて行動できるような人材育成を目指す。
 滞在中は、リオのカトリック大学や現地の障害者スポーツ支援協会の専門家、大会運営を支えるボランティアなどからヒアリング調査を実施したという。
 外国語学部ポルトガル語学科の子安昭子教授は、「大会会場から一歩外へ出れば、障害者のためのインフラはまだまだ整備されていない。一方、障害者や高齢者へ親切に応対しているブラジル人の姿をよく見かける。そういった意味では、リオから学ぶことは沢山あるのでは」と印象を語る。
 また「地元出身者だけでなく、ブラジル全土から沢山の観客が参加していた。報道される以上にブラジル人のリオへの関心の高さを感じた」と語り、社会統合について考える機会とも捉えた。同校は、東京パラリンピックを発端にして、その教育理念を体現する人間造りを今後も目指していく。