21日、今年で17回目を迎える、中南米音楽界最大の音楽賞「ラテン・グラミー」のノミネートが発表された。ブラジルからはベテランのMPB歌手、ジャヴァーンが最多の4部門でノミネートされた。
今年で67歳になるジャヴァーンは、70年代後半から80年代前半にかけてのスター。82年に、あのスティーヴィー・ワンダーがプロデュースした曲「サムライ」で世界的に紹介された実績もある。
その彼が、今回のラテン・グラミーで、最高賞となる最優秀レコード賞。最優秀アルバム賞で共に「ヴィーダ・プラ・コンタール」でノミネートされた。その他、最優秀シンガーソングライター・アルバムなど2部門にノミネートされている。
従来、ラテン・グラミー賞では、言語圏が他の中南米のスペイン語と違ってポルトガル語であることを考慮してか、ブラジル用のカテゴリーが設けられていたが、今回からは表面上、そうした分け方はなくなった。
その代わりに、たとえば「ブラジリアン・ロック部門」が「ポルトガル・ランゲージ・アルバム」と名前を変えることで、将来的にポルトガルのアーティストもノミネートに加えることを可能にする工夫を行なっている。
また、「セルタネージャ」「サンバ/パゴッジ」などはこれまでと変わらずに存在するが、これもジャンル名のみの登録で、「ブラジルの部門」という見せ方をあえてしなくなった。もっともそうしなくとも、ジャンル名だけでブラジルのものとわかるものではある。
ジャヴァーンが最もノミネートされた一方で、今回のブラジル勢には比較的フレッシュな名前が並んだ。新人賞には、女優でありポップ・ロック系の歌手でもあるソフィア・アブラニョンと、男性ロック歌手のイアン・ラミルの2人が最優秀新人賞にノミネートされた。
そして、ブラジルのトップ・ラッパーであるエミシダが、これも南米全体の国が対象となる「最優秀アーバン・アルバム賞」でノミネートされた。
また、「ポルトガル語ロック」では、ブーガリンズ、ヴェルサーレ、スカレーニなど、ここ数年登場してきた若手3バンドがノミネートされた。
一方、国内で爆発的人気を誇るセルタネージャは、若手で人気のある歌手でのノミネートがパウラ・フェルナンデスとミシェル・テローのみにとどまった。