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テメル大統領=総務室長官発言に困惑=二重帳簿の免罪案に反対=政権内の意思疎通、悪い?

ブラジル内外の記者団からの質問に答えるテメル大統領(Beto Barata/PR)

ブラジル内外の記者団からの質問に答えるテメル大統領(Beto Barata/PR)

 【既報関連】米国ニューヨーク外遊中のテメル大統領(民主運動党・PMDB)は、21日、政府内意見調整役の、ジェッデル・ビエイラ・リマ総務室長官が20日にグローボ紙のインタビューに対して行った「選挙資金で二重帳簿(カイシャ・ドイス)を使った政治家への恩赦を、議会で検討すべき」発言は、政府の見解ではないことを明らかにしたと、オ・グローボ紙電子版など22日付各紙が報じた。
 同大統領はリマ長官の発言を「寝耳に水」と評したが、図らずも政府内の意思疎通の悪さをさらけ出した格好となった。
 20日に国連総会開会演説を行ったテメル大統領は、翌21日に米国の企業関係者、投資家達と昼食会で面会した際に、選挙用二重帳簿に関わった政治家への恩赦を指示したのか報道陣から問われた。その中で同大統領は「私もその発言を聞いて驚いている。二重帳簿議員への恩赦には反対だ。帰国したらその事は、はっきりさせる」と語った。
 リマ長官も釈明に追われ、「自分は『恩赦にすべき』と言ったのではなく『恩赦の可能性も全く否定すべきではないのでは』と言ったまで」とニュアンスを変えた。
 昼食会でテメル大統領は、ブラジルへの投資を求め、アメリカ企業、投資家達に、ブラジルは完全に落ち着いた状況にあると説明した。ただし、年金改革問題や、自らの政権に反対する抗議活動が未だ多いことなど「(アメリカ企業、投資家にとっては)さほど重要な事ではないと思われる事柄は、あえて昼食会では触れなかった」とした。
 同大統領は続けて、「もし支持率が5%に下がっても、ブラジルを危機から救って任期を全うできればそれで満足だ」と語った。
 パラナ州連邦地裁のセルジオ・モーロ判事が、ルーラ元大統領への告訴を受理した件についても問われ、同大統領は「ルーラは法廷の場に出て、真摯に疑惑に対して釈明すべき。自分ならそうする」と語った。