ロナウド・ノゲイラ労働相(ブラジル労働党・PTB)は21日、労働法改正は2017年の下半期以降にずれ込むと語ったと22日付伯字各紙が報じた。
同相は、政府の優先事項は国家財政再建だとし「労働法を改正しても、経済が悪くては何にもならない。これ(労働法改正先送り)は論理にかなっている。『最初にすべき事を最初に』だ」と語った。アメリカ外遊中のテメル大統領(民主運動党・PMDB)も、労働法改正の来年延期を認めているという。
ノゲイラ労働相は、労働法改正の具体案には踏み込まなかった。同相は、現行労働法が戦前のヴァルガス時代に成立したことから、時代遅れで、現代の時勢にそった改正が必要だと考えている。
同労相は、8日にブラジリアで行われた労組との会合での、「週に最大48時間を超えないならば、一日12時間労働でも構わないのでは」との発言後、激しい批判に晒された。
同相は21日の会見で、「一日の就労時間を8時間から12時間に増やし、週の労働時間を44時間から48時間に増やすと発言した事は一度もない」と反論し、労働法を改正しても、現状の就労時間規定は守るとの政府公約を繰り返した。
テメル大統領の助言を受けたノゲイラ労相は、それ以降公式の場に姿を現す度に、「自分の発言は誤解されている。労働法の改正は、労働者の権利を強化こそすれ、狭めるものには決してならない」と発信してきた。
ロドリゴ・マイア下院議長(民主党・DEM)は、「労働法改正に敢えて触れる必要はなかった。『来年末に先送り』と発言したり、草案をまとめる前に労働時間について発言するのは軽率だった」と語り、同労相の21日の発言を批判した。