歌手の中平マリコさんが中心となって実現した、『第1回さあ~始めよう みんなで手を取り手を結び 文協文化ホールを完成させよう』の公演が11日、文協大講堂で行われイベント賛同者でほぼ全席満員となった。
元援協診療所スペースで進める文化ホール改修は、資金不足のため遅れている。それ聞いた中平さんが立ち上がり、日系社会への溢れんばかりの情熱を形にした。
公演では、「手を取り合って大きな輪となり広がってほしい」との願いを込め、前後の出演者が手を取り合うように共演する構成で仕上げられた。
花柳流金龍会、レキオス芸能同好会や伊藤カレンさんなど約10の団体や個人によって生み出される新境地に観客は酔いしれ、盛大な拍手を送った。友人に誘われて来場した八尋正枝さん(86、福岡)も、「大変素晴らしかった。感激しました」と興奮冷めやらぬ様子で語った。
出演者も観客も、公演に関わる者全てが文化ホール完成のため、30レアルを寄付するという今行事。中には快く賛成しない声もあったが、中平さんは「多くの人から暖かい励ましの言葉を頂いた」と言い、企画に賛同した全伯各地の日系人に感謝の意を伝えた。
いつも屈託のない笑顔で印象的な中平さんだが、身体障害4級で肩の痛みと闘いながら、過密日程で全伯を駆け巡っている。
「日系社会の皆さんからの温かい言葉がなければ、肩の痛みとは闘えていなかった。生きる勇気をくれてありがとう」と感極まると、イベントに随行する健康体操のメンバーも涙を浮かべた。
最後は、出演者と観客が実際に手と手を取り合い一体となった。ステージはイペー音頭で締めくくられ、第1回目公演を大盛況で終えた。