ダッタフォーリャ社によるサンパウロ市市長選に関する最新世論調査が23日に発表され、企業家出身のジョアン・ドリア氏(民主社会党・PSDB)が、セウソ・ルッソマノ下議(ブラジル共和党・PRB)を抜いて、ついに支持率1位となった。ルッソマノ氏は元市長のマルタ・スプリシー上議(民主運動党・PMDB)とも差がなくなり、フェルナンド・ハダジ現市長(労働者党・PT)の再選はかなり難しい雲行きだ。23日付伯字紙が報じている。
ダッタフォーリャ社が21日にサンパウロ市民1260人に行なった最新調査によると、ドリア氏が25%の支持率で初めて1位に躍り出た。同氏は8月23、24日の調査では5%だったものの今月8日には15%に伸び、今回もさらに10%が加わった。
好調の背景には、ジェラウド・アウキミン・サンパウロ州知事(PSDB)の後押しを受けて最多連立政党をバックに臨み、選挙放送で圧倒的な放送時間を得ていることが大きな要因となっている。
一方、ルッソマノ氏は前々回31%と圧倒的なリードだったが、前回26%、今回さらに落ち込み22%だった。
小規模政党PRBのルッソマノ氏が選挙戦前半でのリードが守れない傾向は12年のときにもあった。今回は、台頭著しいタクシー・サービス「ウーベル」を廃止させたいとしたことや、現政権が打ち出した就労可能時間を1日10時間にする提案を批判するなどの言動が裏目に出た格好だ。
3位のマルタ氏は前回から1%減の20%で、4位のハダジ氏は1%増の10%に。これは18日に放送された候補者討論会で、ハダジ氏がマルタ氏のことを公然と裏切り者呼ばわりしたことが一部で共感を得たものと見られる。マルタ氏はPTから乗り換えて、ジウマ前大統領を追いやったテメル氏のPMDBから候補となったからだ。
とはいえ、マルタ氏、ハダジ氏、支持率を7%から5%に落とした5位のルイーザ・エルンジーナ下議(社会主義自由党・PSOL)など、PT現所属、元所属の候補の支持率が伸び悩む傾向がある。PTのシンボル的存在のルーラ元大統領が、ラヴァ・ジャット作戦で正式に被告になったことで党の印象を落とした部分があるようだ。
実際、「拒絶率」はハダジ氏が45%と圧倒的に高く、マルタ氏も29%、エルンジーナ氏も27%といずれも高い。一方の新人のドリア氏は19%しかなく、市民の左翼幻滅を背景に支持率を伸ばしている部分があるようだ。
決選投票予測では、まだルッソマノ氏が強いが、ドリア氏との差はこちらでも詰まっており、マルタ氏には僅差で敗れる予想となっている。
タグ:サンパウロ アウキミン PT PSDB PSD ハダジ PMDB ルーラ 写真ニュース ラヴァ・ジャット